オンライン診療による皮膚疾患の診断精度について検証したところ、専門医の平均正診率は8割超と高かったことが、新潟大大学院の研究グループによる調査で16日までに分かった。皮膚疾患のオンライン診療の精度に関する研究は初めてで、研究グループは「今後さらに検証し、遠隔医療の促進につなげたい」としている。
研究グループは2021年1月、男女18人の皮膚疾患患者について、専門医と、初期研修を終えて専門研修プログラムを受けている専攻医、皮膚科以外の医師各6人によるオンライン診療を実施。平均正診率を比較したところ、専門医は83.3%、専攻医は53.7%、皮膚科以外の医師は27.8%だった。
疾患ごとの精度も検証。慢性炎症の乾癬(かんせん)を含む炎症性角化症では、専門医の正診率は87.5%、専攻医58.3%、皮膚科以外の医師20.8%だった。専門医は炎症性皮膚疾患や遺伝性角化症の正診率でも80%以上と高かった一方、うっ滞性皮膚炎や自己免疫性水疱(すいほう)症などでは低かった。
研究グループの阿部理一郎・新潟大大学院教授は「対面診察が難しい患者も、オンライン診療で治療が続けやすくなる。より多くの症例を今後検証し、医療過疎地へのオンライン診療を推進したい」と話している。
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