お薬の種類
お薬には、用途や目的によって様々な形態があります。
代替ができない場合もありますが、粉薬をシロップ剤に変えたり、同じ成分でより飲みやすい形に変更できることもあります。お薬が飲みづらい場合は、医師・薬剤師にご相談ください。
内用薬
- 錠剤
- 成分を圧縮して固形にしたお薬です。飲むときはコップ一杯程度の水かぬるま湯で飲むとよく吸収されます。水なしで服用できる「口腔内崩壊錠(OD錠)」「咀嚼錠(チュアブル錠)」もあります。
- カプセル剤
- 顆粒や液剤をカプセルに詰めて飲みやすくしたお薬です。
- 散剤
- 粉末状のお薬(こなぐすり)のことです。飲むときは水かぬるま湯でそのまま、もしくはオブラートに包んで飲んでください。
- 顆粒剤
- 粒状に加工されたお薬です。
- 液剤、シロップ剤
- 液体状のお薬です。粉末を水に溶かして服用する「ドライシロップ」もあります。1回分の量を正確に量ってそのまま飲みましょう。
外用薬
- 軟膏
- 油性の塗り薬です。患部にうすくのばして使用します。
- クリーム
- 水性の塗り薬です。
- 液剤・ローション
- べたつきが少なくのびやすいので、毛髪のある部分などによく用いられます。
- ジェル
- 液剤をジェル状に加工したお薬です。
- 湿布剤
- 直接患部に貼って使うお薬です。患部を冷やすタイプと温めるタイプがあります。
- 点眼剤
- 目薬のことです。
- トローチ
- のどの炎症を抑えるお薬で、口腔内で溶かして用います。
- 坐薬
- 肛門に入れる薬で、消化器官を通過しないため、一般的に効果が速く副作用の軽減が期待できます。
よくあるご質問
お薬を飲むタイミングは?
- 食前
- 食事の30分くらい前
- 食後
- 食事のあと30分くらいまで
- 食直前
- 食事のすぐ前
- 食直後
- 食事のすぐあと
- 食間
- 食事の約2時間後
- 就寝前
- 寝る30分位までの間
- 頓服
- 症状に応じて一時的に服用
お薬を飲み忘れてしまったら?
飲み忘れたからといって、2回分を一度には飲まないでください。1回分の有効な量を超えて、中毒症状を起こしやすくなるからです。また、食後のお薬は食事をした後に飲むことが基本ですが、多くの薬は食事をしていなくても服用することができます。お薬をもらわれる際に薬剤師に相談するようにしましょう。
飲み忘れたときの対処法は、お薬によって異なります。あらかじめ薬剤師に尋ねておきましょう。
お薬はどうやって保管するの?
坐薬など「冷所保管」が必要な場合は冷蔵庫に、それ以外は直射日光を避けて、なるべく湿気の少ない涼しい所に保管します。粉薬などは乾燥剤を一緒に入れておくことをおすすめします。また、小さなお子さまがいるご家庭では、誤飲を防ぐためにお子さまの手が届かない場所に置きましょう。
薬袋(箱)や説明書はお薬を使い切るまで一緒に保管します。処方薬の場合、処方された患者さまご本人だけが使用し、なるべく処方された期間で使い切ってしまいましょう。
お薬の使い方【大人】
錠剤・カプセル
お薬は、コップ1杯の水かぬるま湯で飲みましょう。一緒に飲む水の量が少ないと、食道にお薬がつかえて食道炎がおきる場合があります。お薬によって、一緒に飲んではいけないものがあります。事前に薬剤師に尋ねておきましょう。
※ 牛乳、コーヒー、紅茶、グレープフルーツジュースなど
アルコールでお薬を飲むと、作用が強くなりすぎ副作用を起こすことがあります。
目薬
- はじめに手を洗います。
- 指で下まぶたを軽く引き、容器の先端が目やまつ毛に触れないよう注意しながら点眼します。
- 点眼後、数分間静かに目を閉じます。この際、目頭を軽く押さえておくと、薬が涙道から口の中へ流れ出るのを防ぎ、全身への副作用を抑えられます。
- 目から流れ出た点眼薬は清潔なティッシュペーパーなどで拭き取ります。
- 2種類以上の点眼薬を使用する場合は、5分以上の間隔をあけて点眼します。
- 容器のキャップはしっかり閉め、直射日光・高温を避けて保管します。
坐薬
坐薬を使う際は、人差し指を坐薬の底にあて、肛門内に挿入します。入りにくい場合は先端を少し水で濡らしたり、ベビーオイルをつけたり、手で暖めたりすると良いです。また、半分だけ使用する場合は、坐薬を斜めに切断して使用してください。
坐薬は体温で溶けて効果をあらわすように作られています。このため、保管時の温度が体温より高くなると、溶けてしまうことがあります。柔らかくなったり溶けたりしている場合は、包装のまま20度以下の水につけると固めることができます。
お薬の飲ませ方【乳幼児・小児】
錠剤・カプセル
あらかじめお子さんの口に水を含ませてからお薬を飲ませると良いようです。
固形状のお薬を飲めない場合、錠剤ならそのままつぶして、カプセルならカプセルを外してお薬を飲ませます。お薬によっては、つぶしたりカプセルを外したりすると効果が薄れたり、苦味が強くなる場合がありますので、薬剤師に確認しておきましょう。錠剤をつぶす際は、スプーンを2枚かさねて間にお薬を置き、圧迫すると粉末にできます。
水薬
お薬が沈殿していることがあるため、泡立たないよう注意しながら容器を軽く振ります。お薬は容器から直接飲ませずに、1回分をスプーンやスポイトなどに取って飲ませます。濃くて飲みにくい場合は少量の水に混ぜても結構です。(新生児の場合は「湯ざまし」を使用しましょう)乳児の場合は満腹で飲まないことがあるので、食前にお薬を飲ませたあと、引き続きミルクを与えるのも1つの方法です。
小児用の水薬は色や香りが良いものが多いため、お子さんが勝手に飲んでしまう場合があります。注意して保管しましょう。
粉薬
事前に、お薬が苦くないかどうか薬剤師に確認しておきましょう。通常は、お薬を少量の水に混ぜて、スプーンや指でお子さんの上あごにつけて飲ませます。そのまま飲んでくれる場合は良いのですが、お薬が苦くて飲んでくれない場合は、以下の方法で飲ませます。
- 砂糖・ハチミツに少量の水と一緒に混ぜる(ハチミツは1歳未満のお子さんには使用してはいけません)
- ヨーグルトやアイスに混ぜる
お薬をミルクに混ぜて与えると、ミルク嫌いの原因になります。また、飲み残すと1回分のお薬を飲まなかったことになります。お薬をミルクに混ぜて与えるのはやめておきましょう。
坐薬
乳幼児に坐薬を使う場合は、あおむけで両足を持ち上げた姿勢にし、坐薬を肛門内に深く挿入し、4~5秒押さえたままにしておきます。
坐薬挿入の刺激により排便することがありますので、なるべく排便後に使用するようにします。挿入後に排便してしまった場合は、お薬が溶けていなければ再度入れなおします。挿入後10~15分後に排便してしまった場合は、薬の吸収量がわからないので、次の使用まで最低4時間の間隔をあけてください。熱が下がらない場合は、少なくとも4~6時間は間隔をあけて使用します。