新しい便秘薬のお話 -2013年3月21日掲載-

雑誌に便秘解消の特集がしばしば組まれていますがそれだけ便秘にお悩みの方が多いということを物語っています。食事や運動に気を付けても便秘が解消されないときは、薬を試される方もいらっしゃるのではないでしょうか?

ご存知の通り、便秘薬にもいくつかの種類があります。以前からよく使われているものに、大腸を刺激し腸の運動を活発にして排便を促すセンナ系のものや、腸内に水分を引きつけて便を軟らかくする酸化マグネシウムなどがあります。

しかし、大腸を刺激するものは、腸が刺激に慣れてしまい、増量しないと効果がなくなる、いわゆる耐性がついてしまうと言われています。便を軟らかくするものは、非常にまれですが血液中のマグネシウム濃度が上がってしまうことがあるので注意が必要です。

最近、慢性の便秘に効果があるとされる新しいタイプの便秘薬が発売されました。これは小腸の壁で作用し、腸管内への水分の分泌を促して、便を軟らかくすることで排便を促進するものです。

即効性はないため基本的にはしばらくの間、一日2回服用する必要がありますが、耐性や習慣性はこれまでのところ認められておらず、比較的安全に服用できるものと言われています。

この薬は医師の処方のもとに使う薬ですので、頑固な便秘症の方は相談してみてはいかがでしょうか。但し妊娠あるいは妊娠の可能性のある方は飲むことはできません。また肝臓、腎臓疾患のある方や妊婦・授乳婦の方も注意が必要です。その他、使用できない場合もありますので、詳しくは薬剤師にお尋ねください。

いずれにせよ便秘解消は排便習慣、適度な運動、朝食を摂ることなどが基本です。便秘薬はその補助として、上手に使っていただけたらと思います。