睡眠時無呼吸症候群 -2012年11月15日掲載-

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは睡眠中に10秒以上の呼吸停止が、1時間に5回以上繰り返される病気です。主にいびきや昼間の眠気、熟睡感がない、起床時の頭痛などの症状があります。

また、生活習慣病と密接に関係しており、放置すると生命の危険に及ぶこともあります。

SAS治療の第一選択は、経鼻的持続陽圧呼吸療法(nasal CPAP)や外科的手術などで、薬物療法は補助的な治療手段となります。

まずCPAPは、一定陽圧で空気を送り続ける固定CPAPと、気道の閉じ具合にあわせて圧力を変化させるオートCPAPがあります。主治医が最適なタイプを検査で判断します。

夜間CPAP療法によってしっかり眠ることができるので日中の眠気や倦怠感が減少し、活動性が向上するため、運動意欲も上がると言われています。

主にいびき症や、軽傷の無呼吸症の方に有効な治療がマウスピース療法です。無呼吸症の方に適応されるマウスピースは、下あごを前方に数mm突き出してかみ合わすようにするもので、咽頭部が広がり、睡眠中の狭窄、閉塞を防ぎます。

薬物治療では、呼吸中枢刺激作用を持つ薬剤が使用されることがあります。利尿剤の一種であるアセタゾラミドがSASの治療薬として保険適用になっているほか、三環系抗うつ剤など一部の抗うつ剤で効果が報告されています。

生活習慣の改善も重要で、食事・運動療法によって肥満を改善し、上気道の筋力を弱めるため寝る前の飲酒は控え、上気道炎症や上気道の筋力を低下させる煙草も控える必要があります。

日中の眠気(会議中、運転中など)にお悩みの方は一度、医師に相談してみましょう。