こむら返りの薬 -2012年9月20日掲載-

こむら返りとは、ふくらはぎの筋肉の一部だけが収縮、痙攣して弛緩しない状態となり、痛みを発する症状のことです。

急に激しい運動をすると筋肉が酸素不足になり、疲労物質の乳酸が蓄積して起こりやすくなります。他にも大量の汗を流したり、下痢の症状が続いたりして体から水分が極端に減ったときや、坐骨神経痛や肝臓の病気を患ったときにも起こることがあります。

しかし、最も多い原因はミネラルバランスの乱れです。マグネシウムは細胞の活動に必要なカリウムイオン、カルシウムイオンの出入りをコントロールしていますが、このバランスが崩れると筋肉が収縮し、痙攣が起こります。

そこで、こむら返りの予防法としては、まず普段からミネラルを補う食事を摂ることです。食事だけで補うのが難しい場合は、サプリメントなどが活用できます。カルシウムとマグネシウムが2対1で配合されているような、マルチビタミンミネラルのサプリメントが良いようです。

そして運動前にはゆっくり筋肉を伸ばす(準備体操をする)ことも大切です。

このような注意をしていてもこむら返りが起こってしまったら薬の出番です。最も多く使用されるのは、『芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)』です。芍薬はカルシウムイオンを、甘草は間接的に細胞からのカリウムイオンの出入りをコントロールし、筋肉を弛緩させます。甘草を比較的多く含むため、むくみや尿量減少、頭痛、血圧上昇などの症状が出ることがあるので、長期間服用する場合は注意が必要です。

漢方以外にも筋肉の緊張を取る筋弛緩薬などがあります。

子供の運動会やハイキングなど、これからこむら返りが起こりやすい時期です。痛みでお困りの際はご相談ください。