脳梗塞は、脳の血管に血の塊(血栓)が詰まって起こる、重い後遺症が残ったり、時には命を落とすこともある怖い病気です。
原因は大きく分けると二つありますが、その前に、血栓とはどんなものかについて少し触れておきます。ケガをして出血すると、血液の中の血小板が集まって傷の部分にくっつき、塊を作って傷口をふさぎます。さらに血液中の血液凝固に関係するタンパク質が働いてフィブリンという糊が作られ、血小板や赤血球などを絡めながらより強固な塊となります。いわゆるかさぶたで、これが血栓です。
話を元に戻しましょう。脳梗塞の原因の一つ目は動脈硬化です。動脈硬化により血管の内側に傷がついたような状態となると、そこに血小板が集まってきて血栓を作ります。それが大きくなり血管が詰まると脳に血液がいかなくなり、脳の一部が死んでしまいます。
もう一つは心臓でできた血栓が脳に運ばれ脳の血管に詰まってしまうというタイプです。心臓で血栓ができるのは主に、心房細動という心臓の動きの異常が原因です。この場合の血栓は血小板よりも糊であるフィブリンが多いという特徴があります。
実はこの違いが再発予防の治療と関係しています。すなわち動脈硬化が原因の場合は血小板の塊を作りにくくする薬、心房細動が原因の場合はフィブリンの糊をできにくくする薬が必要になります。
前者はアスピリン、後者はワルファリンが有名な薬です。どちらの薬も出血に注意が必要です。
いずれにしても脳梗塞にならないよう生活習慣を正すことが第一で、もし症状が現れたら、すぐに病院に行くことが重要です。初期症状や対処法についてはかかりつけの医師などに相談しておくことをお勧めします。