お子さんは頭を痒がっていませんか? -2012年6月21日掲載-

最近、日本でも、小学校や幼稚園・保育園を中心にアタマジラミの集団感染があることはあまり知られていません。「不衛生な環境が発生の原因」とする誤解もあり、誰にも相談できずに悩む保護者の方も多くいらっしゃるようです。

かつて多くいたアタマジラミは戦後、有機塩素系の殺虫剤DDTの使用でほとんどいなくなりましたが、毒性や土壌汚染の弊害から、販売中止になりました。

その後、海外交流が盛んになり再び感染が増え、80年頃ピレスロイド系殺虫剤のフェノトリン(スミスリンパウダー)の発売で一旦は減少しましたが、90年頃からシラミを知らない世代が親になり感染が拡大していると推測されています。

見つけ方のポイントは、耳の周囲から襟足にかけ、払ってもとれない白いものが付いている(フケはすぐとれる)、頭に2mmくらいの小さな虫がいる、きちんと洗髪しているのによく頭をかいているなどです。

アタマジラミは、頭を近づけて遊んだり集団で昼寝することの多い幼児・小学生の間で感染率が高くなっています。また、タオル・水泳キャップ・帽子・ヘアブラシなど体に触れるものを共有することでうつることがあります。予防にはこれらを貸し借りしないことが重要ですが小さな子供の場合難しいため、頭髪を細めにチェックしてください。

感染してしまったときは市販のスミスリンLシャンプーなどで駆除できます。卵は駆除シャンプーではとれないので、クシでとかして一本ずつハサミで切ります。衣類などは共用を避け60度の湯に5分浸けた後洗濯することで駆除が可能です。正しく対処すれば必ず駆除できますので、冷静に対応しましょう。

駆除方法などは皮膚科または小児科を受診するか、保健所などでも相談にのってもらえます。