震災とお薬手帳 -2011年4月21日掲載-

「お薬手帳」をご存知ですか?「お薬手帳」は病院や薬局でもらった薬を記録する手帳です。いつ、どこで、どのような薬を、どのくらいの量飲んだかなど、過去の薬の記録(服用歴)がわかります。また病気の記録(病歴)や、体質(アレルギー歴等)、体に合わなかった薬(副作用歴)等も記録できます。いわば、患者様ご自身が管理するカルテのようなものです。

では、「お薬手帳」はどのようなときに役に立つのでしょうか?

例えば、病院や薬局で「お薬手帳」を見せることで、現在服用中の薬と同じような薬や飲み合わせが悪い薬を服用してしまう危険を避けることができます。過去に飲んで具合の悪くなった薬が処方されることを防ぐこともできます。

災害時にも「お薬手帳」が役に立ちます。「お薬手帳」を持っていると、普段自分の飲んでいる薬を正確に伝えることができます。先日発生した東日本大震災の新聞報道の中で、現地で診療活動を行った医師が、「『お薬手帳』によって、何の病気でどの薬が必要か一目で分かり本当に役立った」と述べていらっしゃいました。

また大規模災害でお薬の入手が困難な場合は、「お薬手帳」があれば処方せんなしで薬を受け取ることができる場合もあります。現在、「お薬手帳」の普及率は約6割といわれていますが、阪神淡路大震災がきっかけで急速に普及したとみられています。

“備えあれば憂いなし”皆さんも「お薬手帳」について、この機会にご検討されてはいかがでしょうか?「お薬手帳」は医療機関に行く際には必ず持参し、1冊の手帳にまとめて記録してもらうことが大切です。「お薬手帳」は調剤薬局等でつくることができます。手帳の記録には料金がかかりますので詳しくは薬剤師にお尋ね下さい。