最近「トイレが近い」、「急に我慢できない程の尿意を感じる」、または、「我慢ができず失禁してしまう」といったことはありませんか?これらの症状があれば過活動膀胱という病気かもしれません。過活動膀胱とは尿意切迫感があり、通常、頻尿や切迫性尿失禁を伴う症状症候群のことです。
原因の一つは加齢です。加齢とともに、男性では前立腺疾患、女性では尿道括約筋の機能が低下するためです。現在、40歳以上の8人に1人が過活動膀胱と言われており、決して珍しい病気ではありません。
治療には行動療法と薬物療法があります。行動療法は、水分、カフェイン、アルコール等の摂取制限や、膀胱訓練(排尿間隔を意図的に伸ばすことで膀胱用量を増加させる)のことです。
多量の水分はもちろん、カフェインやアルコールには利尿作用があるので控えるほうが良いでしょう。行動療法で、日常生活に支障がない程度まで症状が改善することもあるようです。
過活動膀胱の治療の中心となるのは薬物療法です。主に使われるお薬に抗コリン薬があります。抗コリン薬とは膀胱の筋肉の収縮を抑え、膀胱用量を増すことによって頻尿を改善するお薬です。副作用として口の渇きや便秘がある他、排尿障害への注意も必要です。また、抗コリン薬は緑内障の患者様には使えない場合もあるので、医師への相談が必要です。
男性は前立腺肥大により過活動膀胱が起こることがあります。その場合、尿道を広げるお薬と膀胱の筋肉の収縮を抑えるお薬の両方を服用することがあります。
トイレの不安や急な尿意による失禁の心配などで外出を諦めるのは残念です。治療により症状の改善が期待されますので、気になる症状がある方は、医師・薬剤師にご相談ください。