薬の飲み合わせとお薬手帳の活用 -2010年5月20日掲載-

薬の「相互作用」をご存知ですか。いわゆる「薬の飲み合わせ」のことで、薬がお互いに影響し合い思わぬ症状が現れることを言います。

薬の成分は体内に吸収されると、一部は肝臓で分解されます。分解されなかった薬は体の各組織に運ばれて効果を発揮し、尿や便として排泄されます。相互作用は、この過程のどこでも起こる可能性があります。

似た作用のものや、薬を分解する酵素の働きを阻害するものを一緒に服用すると、血液中の薬の量が多くなるため、効果が強く出たり、副作用が起こりやすくなります。逆に反対の働きをする薬や、お互いに結合して体に吸収されにくくしてしまうような薬を一緒に服用した時は、十分な効果が得られません。

相互作用は食品でも起こることがあり、代表的なものに納豆・グレープフルーツジュースがあります。ワルファリンカリウム(抗血栓薬)は納豆によって効果が弱くなり、フェロジピン(高血圧の薬)はグレープフルーツジュースで効果が強く現れます。ただし、個人差があり、すべての人に起こるとは限りません。

相互作用は医師・薬剤師が確認しますが、別の医療機関を受診する場合には、服用中の薬を伝えないと、相互作用の起こりうる薬が処方される可能性があります。服用中の薬を正確に伝える手段として、お薬手帳をお勧めします。

お薬手帳とは、薬の種類や飲み方、注意点等を医師・薬剤師に記入してもらう手帳のことで、相互作用等を確認してもらう時に便利です。手帳は医療機関や薬局毎に使い分けるのではなく、服用中の薬すべてを同じ手帳に記入してもらえるように、1冊にまとめることが大切です。

お薬手帳は薬局で作ることが出来ますので、お気軽にご相談下さい。