肩こり -2009年11月1日掲載-

肩こりとは、首と肩を支える筋肉が疲労緊張し、筋肉の血液循環が悪くなった状態のことをいいます。原因は、運動不足や肩の筋肉の使いすぎ、長時間にわたる同じ姿勢、ストレスによる筋肉の緊張、悪い姿勢などがあります。また、なで肩や肥満も肩の筋肉に負担がかかりやすくなります。

肩こりの治療には、「運動療法」、「温熱療法」、「薬物療法」があります。原因や症状の程度などに合わせて、これらを組み合わせて行います。

運動療法では、まず生活習慣を改善していきます。悪い姿勢は肩こりの誘引になるので、自己チェックをして、改善を行います。また、同じ姿勢で長時間作業を行うときは、30~60分に1回は伸びをしたり立ち上がったりすることで筋肉をほぐしましょう。筋肉がゆるむと、血管もゆるみ、血液の流れがよくなって老廃物が取り除かれ、酸素や栄養がたくさん送り込まれて肩こりが改善します。血行をよくするには、入浴時にぬるめのお湯にゆっくりつかる、蒸しタオルを首の後ろにおくのも効果的です。肩こりは、日頃の心掛けや肩こり運動で、予防や悪化を防ぐことができます。温熱療法は筋肉を温めることにより血流を改善させます。超音波、レーザー、低周波、ホットパックを用いる方法などがあります。

薬物療法では、肩こりがひどい時や日常生活に支障がある場合に、それを軽くするお薬を使用します。非ステロイド性消炎鎮痛剤や筋弛緩薬、貼り薬、塗り薬が用いられます。お薬によっては、胃を荒らしたり、眠気やふらつきが出ることもあるので、気になることがあれば医師または薬剤師に相談しましょう。

肩に痛みなどを感じた場合、心臓病や歯周病、顎関節症などの重大な基礎疾患が隠れていることがあります。改善しない場合は医療機関で受診しましょう。