骨粗鬆症の予防と治療 -2009年6月1日掲載-

骨粗鬆症とは骨の中に含まれるカルシウムなどの量が減り、骨がもろくなって折れやすくなる病気です。特に女性は、一般的には50歳前後で閉経を迎え、女性ホルモンの分泌が低下し、それに伴い骨量も減少します。また加齢によって骨の質が低下し、骨折しやすくなります。

予防には20歳ぐらいまでにできるだけ骨量を増やすこと。食事からカルシウムとビタミンDを積極的に摂り、加工食品や塩辛い食品を摂りすぎないことに注意し運動を心掛けることが大切です。また喫煙や過度の飲酒も控えて下さい。骨の質を高めるにはビタミンKやビタミンC、ビタミンE、葉酸なども必要です。日常生活では偏食をしないようにしましょう。

高齢期では男女共に骨粗鬆症になる人が多くなり、筋力やバランス感覚も低下するため、ちょっと転んだだけでも骨折してしまうことがあります。そのため、骨量の低下を進行させないように、骨を強くする治療を受けるとともに、住環境を整備するなど生活の工夫をしながら骨折を予防する事が大切です。

骨粗鬆症の治療に使われる代表的なお薬にビスホスホネート製剤があります。このお薬は骨を壊す作用を抑えて骨量を増加させるもので、骨折を防ぐ効果がありますが、飲み方に少し注意が必要です。

お薬の効果を最大限に引き出すために、胃の中に食べ物が入っていない起床時に1錠をコップ1杯の水で飲み、胃や食道への副作用を避けるため、飲んでから少なくとも30分間は横にならないようにして下さい。また、お薬の吸収が悪くなってしまうので、お薬を飲んでから30分間は水以外の飲食、他のお薬の服用は避けることが大切です。

これ以外にも骨粗鬆症の治療薬は沢山あります。症状に合ったお薬で治療を続けることが大切です。