どうして起こる?あなたのめまい -2009年3月1日掲載-

「めまい」は姿勢のバランスを保つ機能の低下によって起こる症状で、主に耳の病気が原因です。

耳が原因で最も多いめまいは「良性発作性頭位めまい症」です。前かがみになった時、寝返りを打った時など頭を特定の方向に動かした時に、ぐるぐると1分弱の吐き気を伴う回転性のめまいのことで、耳のリンパ液の中にたまった老廃物などが原因です。

聴力低下が心配されるめまいの代表が、「メニエール病」と「突発性難聴」です。「メニエール病」は数十分~半日ほどの持続する激しい回転性めまいに、吐き気、耳鳴り、耳閉感(多くは片耳)を伴い、繰り返すことが特徴です。原因はストレスや疲労によりリンパ液が増え耳の機能障害が起こるためとされています。何度か繰り返すことで機能が元に戻らず難聴が進みます。「突発性難聴」は突然片方の耳が聞こえなくなる病気で約半数の人が回転性のめまいを感じます。聴力回復が難しくなるため、できるだけ早く治療を開始した方が良いとされています。

脳の血管が詰まったり、出血したりすると、ふわふわと浮遊性めまいを感じます。激しい頭痛、顔面や手足のしびれ、ろれつが回らないなどの運動障害を伴います。命にかかわる重大な病気の場合があり、緊急に受診する事が大切です。

めまい治療のお薬は、脳や内耳の血流を増やしリンパの流れを良くする抗めまい薬、循環改善薬、障害を受けた神経を修復するビタミン剤、過剰に増えたリンパを軽減し内耳のむくみを取る浸透圧利尿剤などがあります。また症状に応じて吐き気止め、抗不安薬、神経の炎症が原因の場合はステロイド剤が使われます。

めまいによるストレスや不安から症状を悪化させることがありますし、脳の病気が隠れている場合もあります。自己判断せず早めに受診してください。