インスリン療法について -2009年2月1日掲載-

今回は、糖尿病のインスリン療法のお話です。

糖尿病には1型と2型の2種類があります。1型は血糖を下げる作用のあるインスリンをすい臓から分泌することができないタイプでインスリン注射が必須です。2型は中高年の方に多い、いわゆる生活習慣病と言われているタイプで、治療はまず食事や運動療法などの生活改善から始まります。それでも効果が不十分な時には、血糖降下剤の内服やインスリン注射を併用します。

インスリン療法は不足しているインスリンを注射により直接補う治療法で、血糖をコントロールするにはとてもよい治療法です。自己注射といって自分で注射を行います。

では、インスリン療法を行う理由は何でしょうか?飲み薬の血糖降下剤は、すい臓を刺激してインスリンを分泌させる作用があります。しかし時として、すい臓は薬の刺激によってインスリンを出すことに疲れてしまい、インスリンの分泌が悪くなってしまうことがあります。このような場合は直接インスリンを補充する必要があるからです。

しかしそうはいっても、自分で注射をするなんて怖い、一生使い続けることになるのではないかと、不安に思われる方が多いのではないでしょうか。実際には必ずしもそうではありません。最近は注射針がとても細くなっているので痛みも軽く、またすい臓に休息を与えることができるので、場合によっては飲み薬の治療に戻ることも可能です。

インスリンには様々なタイプがあり、患者さんの状態に応じて注射の種類・回数・1回の注射量が決まります。いくつかの注意点はありますが、主治医にしっかり確認しておけば心配はいりません。インスリン注射は怖いものではありません。主治医からインスリン治療を勧められた時は、よく説明を聞き、治療をうけられてはどうでしょうか。