禁煙補助薬について -2008年9月1日掲載-

日本の喫煙者数は約2700万人。先進国の中でも喫煙率が高いと言われています。最近、喫煙者は肺がんに限らず、様々な病気にかかりやすいことが明らかにされてきました。喫煙による健康への影響や、タバコにかかるコストを考え、禁煙を試みる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

タバコをやめられない理由には、手持ち無沙汰、休憩時の習慣といった心理的なものと、ニコチン依存症による身体的なものが挙げられます。ニコチンは少量なら覚醒・興奮作用があります。タバコを吸わないと集中できないとか、目覚めの一服という理由で吸う人が多いのもこのためです。また、量が多いと鎮静作用があるため、一服すると気持ちが落ち着く感じがするのです。タバコを急にやめると、ニコチンが体内に入らなくなるため、禁断症状になることがあります。

そこで用いられるのが禁煙補助薬です。従来からあるのがガムやパッチ(貼り薬)です。これは禁煙中に下がるニコチンの量を少し補充して、禁断症状をやわらげる効果があります。また最近ではニコチンを含まない飲み薬が処方されるようになりました。これは脳内にあるニコチンの受容体にニコチンの代わりにくっついて、タバコを吸いたいという気持ちを抑えたり、禁煙によるニコチンの離脱症状を軽減する効果があるものです。

薬局で購入できるニコチンガムやパッチもありますが、平成18年4月1日から一部の医療機関(認可を受けた医療機関)でニコチン依存症の患者様への禁煙治療に対する保険診療が開始されています。禁煙に対して不安をお持ちの方、また先に紹介したニコチンを含まない飲み薬を希望される方は、医療機関で受診し医師にご相談下さい。

禁煙しようかなと思ったら、まずはかかりつけの薬剤師にお尋ねください。