COPDになる前に -2008年6月1日掲載-

COPD(慢性閉塞性肺疾患)という病気をご存知ですか?タバコなどの有害な空気を吸い込むことで、空気の通り道の気道(気管支)や、酸素の交換を行う肺(肺胞)などに障害が生じる病気です。別名“肺の生活習慣病”とも呼ばれ主に喫煙者、喫煙歴のある人に多い病気です。

あまり馴染みのない病気ですが、患者数は世界的に増え続けていて、2020年には世界の死亡原因の3位になると予測されています。日本では2001年の全国調査で患者数は530万人以上いるとわかっています。

初めは、風邪をひいているわけでもないのに慢性的に痰や咳が出たり、階段や坂道を登る時に息切れがするといった症状がみられます。放っておくと徐々に進行し、呼吸困難がひどくなり、少し動いただけでも息切れがして日常生活にも影響が出てきます。

今のところCOPDを根本的に治し、もとの健康な肺に戻す治療法はありませんが、少しでも早い段階で病気に気づき適切な治療を開始することで健康状態の悪化と日常生活の障害を防ぐことができます。

COPDの予防と治療の基本は禁煙です。2006年より禁煙治療が保険適用になりました。やめたくてもやめられないという方は禁煙外来を受診することをお勧めします。以前はニコチンパッチだけでしたが、5月から飲み薬を処方してもらえるようになりました。今までニコチンパッチで失敗した方もチャンスはあります。ただし保険が適用になる医療機関は限られています。また、医療機関の受診が難しい方は、薬局で売られている禁煙グッズを利用してみるのもよいでしょう。ニコチンパッチも直接薬局で購入できるようになりました。

禁煙補助剤についてくわしく知りたい方は、かかりつけの薬剤師におたずね下さい。