脳梗塞の薬 -2007年2月1日掲載-

「脳梗塞」は「脳卒中」の一種で脳の血管に血栓、凝固塊、脂肪塊等が詰まって血流を止めてしまうために起こる病気のことです。

動脈硬化などがあると血流が詰まりやすいので脳梗塞になる可能性が高く、脳の血管が詰まると、その先の脳細胞に酸素と栄養が供給されずに脳細胞が壊死してしまいます。脳細胞が壊死すると脳が正常に働かなくなり、半身麻痺・しびれ・感覚低下・手足の運動障害・言語障害などの症状が現れ、場合によっては後遺症が残ることもあります。

脳梗塞の危険因子としては、高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や喫煙、大量飲酒、塩分や動物性脂肪の取りすぎ、運動不足などがあげられます。これらに該当する場合は、適切な治療を受けると共に、食生活では塩分を控えめにし、動物性脂肪やコレステロールを多く含む食品を控える等の努力が必要です。また、十分な睡眠、休養をとると共に、禁煙・節酒・適度な運動も大切です。

脳梗塞は再発の恐れがある病気です。再発を防ぐためには、血液をサラサラにして血栓を作らないことが重要です。その手段として血小板の働きを抑えて血栓ができるのを防ぐ「抗血小板薬」や、血液中の凝固因子の働きを抑えて血栓ができるのを防ぐ「抗凝固薬」が用いられます。

ただし抗血小板薬のアスピリンは胃腸障害、塩酸チクロピジンは肝機能障害、抗凝固薬のワルファリンカリウムは「出血しやすく、止血しにくい」などの副作用が現れることもありますので、定期的に検査を受けて下さい。また、ワルファリンカリウムは納豆などのビタミンKの多い食品と同時に摂取すると、薬の効果が弱くなるので注意して下さい。

お薬の副作用や飲み合わせについて質問がありましたら、かかりつけの薬剤師にお尋ね下さい。