かぜ薬について -2006年12月1日掲載-

本格的な冬を迎え、「かぜ」をひきやすい季節になってきました。「かぜ」とは鼻や喉に起こる急性の炎症をまとめた呼び方で、病気の名前ではありません。ウイルスや細菌が鼻や喉に感染して咳、鼻水、時には発熱を伴う症状が現れます。ちなみにインフルエンザはインフルエンザウイルスの感染によって起こるかぜの一種です。普通のかぜと違い、急激な発症・高熱・関節痛などの特徴があります。医療機関では、次のような薬を、かぜの症状にあわせて処方します。

総合感冒薬
熱、痛み、鼻水、鼻づまり等のかぜの諸症状を改善するお薬です。
解熱鎮痛剤
熱を下げ頭痛を緩和します。高い熱が続くときに使います。
抗ヒスタミン剤
くしゃみや鼻づまりの原因となる鼻水を抑えるお薬です。
鎮咳剤
咳を抑えるお薬です。咳がひどいと体力を消耗したり、睡眠の妨げになったりしますが、その原因となる咳を鎮める時に使います。
去痰剤
痰を切るお薬です。痰が喉にからんで出にくい時に使います。
抗生物質
ウイルスによりかぜにかかると、体力が低下して細菌に感染しやすくなり、さまざまな症状(扁桃炎、中耳炎等)を引き起こしますが、抗生物質にはこの細菌感染を治療する効果があります。ただし、かぜの原因であるウイルスには効果がありません。また一般に市販されているかぜ薬には抗生物質は含まれていません。

これらのうち、総合感冒薬や抗ヒスタミン剤は眠気を催すことがあるので注意してください。

以上のように、かぜをひいた時は、まず医療機関で医師の診察を受け、症状に応じたお薬を出してもらうことをお勧めします。お薬についてわからないことがあれば私たち薬剤師にご相談下さい。