脂肪を下げる薬 -2006年5月1日掲載-

健康診断の検査項目には必ず総コレステロールと中性脂肪があります。体内の脂肪の量が増えすぎると動脈硬化になりやすく、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす可能性があることは、よくご存知のことと思います。食事療法や運動療法でコントロールするのが最良ですが、改善できない場合は薬で下げる必要があります。

コレステロールを下げる薬にスタチン系という種類があります。この薬は肝臓でコレステロールが作られるのを抑え、血液中のコレステロールを下げます。その他、食物からのコレステロールの吸収を抑える薬やコレステロールの酸化を抑える薬などがあります。また、中性脂肪を下げる薬にはフィブラート系といわれる薬があり、肝臓での中性脂肪の合成を抑えます。

スタチン系、フィブラート系とも非常にまれですが横紋筋融解症という筋肉に影響する副作用が起こることがあります。初期症状として、薬を飲み始めてから筋肉が痛い、手足に力が入らない、尿が赤褐色になるなどの症状があれば医師に相談してください。軽度の筋肉痛や手足の脱力感は日常経験することがありますので副作用か迷う時には、お薬をもらった薬局の薬剤師に相談してください。

脂肪を下げる薬を服用して検査値が下がると、もう安心とばかりに食事が乱れることがありますが、治療の基本は食事療法であることを忘れないでください。

総コレステロールが高いタイプの方は摂取エネルギーを必要最小限に抑え、脂肪(特に飽和脂肪酸)やコレステロールを多く含む食品を控え食物繊維や青魚、野菜などを多く摂るようにしてください。中性脂肪が高いタイプの方は同じく摂取エネルギーを抑え、動物性脂肪や特に糖質(果物の摂りすぎに注意)、アルコールなどを控えるようにしてください。 そして適度な運動もお忘れなく。