睡眠障害 -2005年5月1日掲載-

夜、なかなか寝付かれなくて苦しい思いをしたことはありませんか。

日本では成人の約5人に1人が不眠に悩んでいるといわれています。原因の一つとして、生活リズムの乱れによる体内時計のズレがあげられます。朝起きて太陽の光を浴びると、体内時計が時を刻み始め、14~16時間たつと、眠りを誘うホルモン「メラトニン」が分泌されて眠気がおこります。毎朝きちんと起き陽光を浴びていれば、寝付きは良いものです。また夜はゆったりとした気分で自然に眠気を待つことも大切です。

睡眠中は浅い眠りのレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠が平均90分の周期で繰り返します。年齢を重ねるに従いノンレム睡眠が短くなり、睡眠全体が浅くなります。熟睡するためには日中無理なく続けられる運動を行い、昼と夜の生活のメリハリをつけることが必要です。また自分の体が必要としている睡眠時間に合わせて、就寝する時間を決めることもお勧めします。

いったん不眠に陥り、なかなか抜け出せない場合は睡眠薬の力が必要となります。睡眠薬は作用時間によって4つに分類されます。寝付の悪い時には超短時間型や短時間型、夜中に目が覚めたり朝早くに目が覚めてしまう場合は、中間型や長時間型が使用されます。

寝酒するとよく眠れると考えがちですが、一時的に眠れても急速に眠りが浅くなります。睡眠薬代わりのお酒は余りお勧めできません。また、睡眠薬をお酒と一緒に飲むと思わぬ副作用を招くことがあります。

睡眠薬は不眠症を治すきっかけを作り、不眠になる前の睡眠状態に戻す治療薬です。長時間眠るための薬ではありません。服用しているうちに眠れる自信がついてきたら、医師とよく相談しながら、服用中止を目指すことになります。睡眠障害でお悩みの方は医師、薬剤師にご相談下さい。