乾癬(かんせん)という病気をご存じですか? -2026年9月30日掲載-

乾癬とは?

乾癬は身体の中の免疫バランスの異常によっておこる全身性の炎症性疾患です。日本には約40万人の患者がいて、男女比はおよそ2:1です。発症年齢の平均は40歳弱で、20歳代と40~50歳代に発症のピークがあります。
乾癬は人にうつることはありません。病状が良くなったり悪くなったりを繰り返すので、長期的な治療やケアが大切です。

感染の原因

乾癬の発症原因ははっきりとわかっていません。現時点では、遺伝的な要因があり、そこにさまざまな環境的な要因が複雑に関与することによって、免疫バランスの異常が起こり、発症につながると考えられています。

乾癬の症状

乾癬の典型的な皮膚症状として、紅斑(こうはん・炎症を起こして赤くなる)、肥厚(ひこう・炎症を起こして盛り上がる)、鱗屑(りんせつ・皮膚表面に銀白色のかさぶたのようなものができる)などがあります。
皮膚症状は全身のうち、特にひじ、ひざ、腰まわりなど、摩擦を受けやすい部位に多くみられ、頭部や頭皮、爪にも症状が出たり、これにかゆみを伴うこともあります。
また、皮膚症状だけでなく、関節の痛み、腫れ、変形などの関節症状がみられる場合もあります。

治療の種類

治療法は大きく分けて、塗り薬、飲み薬、注射剤(生物学的製剤)の薬物療法と、光線療法の合わせて4種類があります。
乾癬の治療は、患者さんの症状や治療目標、治療効果などを考慮して、4つの治療法を単独あるいは組み合わせて行います。

①塗り薬

塗り薬は乾癬治療の基本となり、主に次の薬が使われます。症状に合わせて、塗り薬以外の治療法と組み合わせることもあります。

・ステロイド外用薬(炎症を抑える)
長期間使用すると、感染症をおこしやすくなることがあります。
・ビタミンD3外用薬(皮膚の過剰な増殖を抑える)
・配合剤(ステロイド外用薬とビタミンD3外用薬を合わせたお薬)
2つの外用薬を合わせることでより効果的になります。
・AhR調整薬(炎症を抑えるクリームタイプの外用薬)

②飲み薬

飲み薬には主に次の薬が使われます。症状に合わせて、飲み薬以外の治療法と組み合わせることがあります。お薬によっては妊娠または妊娠している可能性のある方、授乳中の方は服用できません

・PDE4阻害剤(免疫バランスの乱れを整え炎症を抑える)
服用初期に吐き気や下痢、頭痛などが起こることがあります。
・レチノイド製剤(皮膚の過剰な増殖を抑える)
肝障害や腎障害のある方は服用できません。
・免疫抑制剤(過剰な免疫機能を抑える)
血圧上昇や腎機能障害などが起こることがあるため、定期的に血圧測定、血液検査を行います。
・TYK2(ティックツー)阻害剤(免疫機能に関わり炎症を引き起こす物質の働きを抑える)
免疫機能を抑える作用が強いため、感染症への注意が必要です。

③注射剤(生物学的製剤)

免疫機能に関わり炎症を引きおこす特定の物質の働きを抑えます
飲み薬や光線療法で十分な効果が得られない患者さんに使用されます。
免疫機能を抑える作用が強いため、感染症への注意が必要です。

④光線療法

症状のある部位や全身に紫外線を照射することにより過剰な免疫機能を抑える治療法です。乾癬治療では、PUVA療法やナローバンドUVB療法などが行われます。塗り薬や飲み薬、注射剤と組み合わせることもあります。なお、光線療法を受ける場合は、最初は1週間に1~2回程度の通院または入院による連日照射が必要ですが、症状が落ち着いたら2~4週間ごとの照射でもコントロールできるようになります。

乾癬の治療目標

乾癬の治療目標は、患者さんの生活に合わせて、乾癬の症状を改善・維持し、生活の質を高め、生活を楽しむことです。
生活の中での治療目標や、治療法について、医師とよく相談しましょう。患者さん一人ひとりの生活の質を高めるために、一番よい治療法を選択します。
病気や治療について知りたいとき、なかなかよくならないとき、医師の指示どおりにお薬が使えない、飲めないなど、今の治療を続けることが難しいときは、気軽に医師・薬剤師に相談しましょう。