高齢者に多い目の病気 -2025年7月31日掲載-

高齢者に多い3つの目の病気

高齢者には、白内障、緑内障、加齢黄斑変性という、3つの目の病気が多くみられます。
それぞれの見え方や特徴について説明します。見え方が変わったり、目に違和感を感じたら、早めに受診することが大切です。

白内障(水晶体が濁ってくる病気)

  • 二重、三重に見える
  • 光をまぶしく感じる
  • ぼやけて見える
  • 白っぽくかすんで見える

緑内障(視神経が障害され視野が狭くなる病気)

  • 自覚症状がわかりにくい
  • 少しずつ視野がかけていく

加齢黄斑変性(黄斑の加齢に伴う変化によっておこる病気)

  • 視野の中心がゆがんでみえる
  • 視力が低下する
  • 視野の中心が暗く見える

原因と治療

では、3つの病気には、どのような治療法があるのでしょうか?原因や一般的な治療法について説明します。

白内障

原因
年齢が進むにつれて水晶体が濁ってきます。またアトピー性皮膚炎や糖尿病などの合併症も増えています。
種類
加齢性白内障、全身疾患に合併する白内障、先天性白内障、外傷性白内障、併発白内障 など
治療
点眼薬により白内障の進行を遅らせます。水晶体が濁るスピードを遅くするもので、症状を改善したり、視力を回復することはできません。
手術
日常生活に不自由を感じるようであれば手術を検討します。視力が低下して仕事に支障が出る、外ではまぶしくて極端にみえづらい、視力が低下して免許の更新ができないなど気になることがあれば、医師とよく相談しましょう。
手術後は入浴や洗顔が1週間ぐらいできないことがあります。また転ばないよう注意が必要です。

緑内障

原因
眼圧の上昇などが主な原因ですが、視神経の強さは人によって異なり、眼圧が正常でも緑内障になることがあります。
種類
原発開放性隅角緑内障、正常眼圧緑内障、原発閉塞隅角緑内障、発達緑内障、続発緑内障 など
治療
点眼薬により緑内障の視野が欠けるスピードを遅らせます。
手術
目薬や内服、レーザー治療によっても眼圧がコントロールできない場合には、手術を行うこともあります。
注意
緑内障のタイプによっては飲んではいけない薬がありますので、眼科の医師に薬について確認しておきましょう。

加齢黄斑変性

原因
黄斑や網膜色素上皮細胞などの老化現象が主な原因と考えられています。
種類
滲出型加齢黄斑変性、萎縮型加齢黄斑変性
手術
目の中にあるVEGF(血管内皮増殖因子)という物質のはたらきを抑えるために、眼内に薬剤を注射し、脈絡膜新生血管の成長や血液の成分の漏れを抑えます。その他レーザーによる治療もあります。

大切な目を守るために

目は私たちの生活にとって、とても大切なものです。できるだけ早期に病気を発見し、悪化する前に治療を開始することが重要です。日常生活で、たばこは控える、サングラスなどで日光から目を守る、バランスのよい食事を心がけることも勧められています。
自分自身で目を守るという自覚を持ち、発見の機会となる健康診断などを積極に受けるなど、少なくとも年1回の定期検診を受けましょう。