花粉症と思ったら寒暖差アレルギー!? -2023年5月1日掲載-

朝晩の日中の気温差が大きくなる季節の変わり目。この時期にくしゃみをしたり、鼻水が出たり…そんな症状が出る方はもしかしたら寒暖差アレルギーかもしれません。

寒暖差アレルギーとは

寒暖差アレルギーは春先や秋口といった季節の変わり目、特に昼間と夜の気温差が大きくなることが原因で鼻の粘膜の血管が広がり、粘膜が腫れることで引き起こされるくしゃみや鼻水、鼻詰まりなどの症状のことをいいます。酷くなると頭痛や悪寒、全身にじんましんのような皮膚症状を発症することもあります。今回は花粉症に似た症状の寒暖差アレルギーを取り上げたいと思います。

寒暖差アレルギー 花粉症
鼻水の状態 水っぽい・サラサラしている 無色透明だが悪化すると黄色っぽくなる
鼻詰まり 鼻がムズムズした感じ 長期にわたり辛い症状
くしゃみ 一時的に続く場合あり 何度も続けて出ることが多い
目や肌の痒み なし あり
体の怠さ 怠さを伴う事もあり 悪化すると怠さあり

花粉症と思ったら寒暖差アレルギー!?
くしゃみ、鼻水、鼻詰まりは、花粉症やアレルギー性鼻炎でも生じる症状です。
花粉症なら花粉、アレルギー性鼻炎ならダニやハウスダストなどの原因となるアレルゲンによる免疫反応であるのに対し、寒暖差アレルギーではアレルゲンは関与していません。

症状の特徴の違い

このように寒暖差アレルギーと花粉症は症状の特徴に少し違いがあります。
くしゃみ、鼻水は一時的なら寒暖差アレルギー、継続している場合は花粉症。
目や肌に痒みがあれば花粉症の可能性を疑ってみるなど、症状の特徴を掴むことでご自身で判断できる場合もあります。ただしひどく症状が続く場合は受診をお勧めします。
始めは耳鼻科を受診し、血液検査や鼻の反応をみる鼻粘膜誘発テストなどで検査してもらい、花粉症なのか寒暖差アレルギーなのか診断してもらいましょう。

寒暖差アレルギーの原因はまだ明らかにされていませんが、昼と夜の気温の差が7℃以上あった場合、起こりやすいと言われています。
花粉症は特に雨の日の翌日、よく晴れた日に舞いやすく、気温も高い日が続けば症状も出やすくなります。
一概に言えませんが、
「気温差の大きい日の夜、少し肌寒く感じるときには寒暖差アレルギー」、
「晴天が続き気温の高い状態が続いた日には花粉症」
の症状が出やすくなると見分けが出来るのかもしれません。

最初に述べたように寒暖差アレルギーが起こりやすい時期は季節の変わり目。
この時期には自律神経のバランスが崩れやすいです。
身体が冷えることで症状が生じやすくなるため、生活習慣を見直すことが大切です。

予防法

まず冷えを感じないように首、手首、足首の3つの首を冷やさないようにすることです。3つの首には皮膚表面近くに太い血管が流れているため、ここが冷えてしまうと体感の冷えに繋がります。そうすると寒暖差を感じやすくなり症状が出やすくなります。
3つの首を冷やさないように気温に合わせて上着を羽織ったり、首回りにマフラー・ストールを巻くなど自己調節ができる服装で過ごすことが予防につながります。
冬場、カイロを使用していた人はくしゃみや鼻水などのアレルギー症状が出た場合、使わなくなるタイミングを少し遅らせるのも一つの手です。
自律神経のバランスを乱さないようにバランスのよい食事を摂り、適度な運動を行い、睡眠時間を十分に取る事も大切です。
自律神経のバランスを整え、免疫力の低下を防ぎ健康的な体づくりを目指しましょう。

この他に症状を抑えるために耳鼻科の医師がおすすめしているのがホットタオルで鼻穴を蒸らすことです。粘膜の腫れを抑え、鼻汁の症状を緩和させることができます。
様々な予防法を行っていても、症状が続く場合は病院を受診するようにして下さい。鼻水の症状が酷い場合は点鼻液が処方されることもあります。
くれぐれも症状が続く場合は我慢せずに受診するようにしましょう。

寒暖差アレルギーは一見、花粉症と同じように感じられやすい症状ですが、原因となるアレルゲンがないため、抗ヒスタミン薬などの抗アレルギー薬での治療は行われません。
いかに昼と夜の寒暖差を感じにくいように工夫して日々を過ごすことで、症状を出にくくする生活習慣が大切です。
ご自身の身体が気温何度で寒さを感じやすいかを知っているだけでも予防につながる場合もあります。自分自身の健康を維持し身体の少しの不調を予防し管理することで、セルフメディケーションの第一歩に繋がるのではないでしょうか。