便秘に困っている方、悩んでいる方、いらっしゃいますよね。
便秘症の定義は、本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態とされています。
便秘というと排便回数が意識されますが、排便困難も便秘症状です。
すっきり快便を目指しましょう。
もうご存じのことも多いかと思いますが、改めて、便秘について考えてみましょう。
便はどこにたまっているの?
血便や下血があった時、大腸の内視鏡検査をされた方もいらっしゃるかと思います。
大腸にはS字結腸と呼ばれる部分があり、便の多くはこのS字結腸にたまります。便秘の時に、お腹をのの字にマッサージする、腰の両脇あたりを両手でつかんでもむ、左下腹部を押す、という、腸の動きを助ける動作により便秘解消に効果があると言われます。
慢性便秘は大きく4種類に分かれます。
- 機能性便秘
- 器質性便秘
- 症候性便秘
- 薬剤性便秘
1.機能性便秘
大腸の動きに関係し、3つに分かれます。
- 弛緩性便秘
- 筋力低下や運動不足などで大腸の動きが弱くなり、便が停滞する状態。
- 痙攣性便秘
- ストレスなどで腸管が痙攣収縮して排便困難な状態。
- 直腸性便秘
- 便意を我慢しすぎたり、下剤や浣腸の乱用で排便反射が悪くなり、直腸に便が停留する状態。
2.器質性便秘
大腸がんなど消化管の病気による通過障害。
3.症候性便秘
パーキンソン病、甲状腺機能低下症など便秘を高率に発症してしまう二次的な便秘。
4.薬剤性便秘
薬の副作用により引き起こされる便秘。
便秘の治療
受診時に医師が腹部のレントゲン、エコー、触診などで判断しますが、排便したときに、ご自分の便が硬いのか、柔らかいのか、コロコロしているのかなど日頃から見て、医師や薬剤師に伝えることも重要です。薬剤師は併用している薬から薬剤性の便秘ではないかを判断します。
下剤は大きく2つに分けられます
- 便の性状を調節する
- 便を柔らかくしたり、量を増やすことで腸管を通過しやすくする。
- 腸を直接刺激する
- 速やかな効果が得られるが、慣性や耐性が生じる可能性があるため、頓服又は短期間の使用が望ましい。
医療用医薬品の下剤では、今まで選択肢が少なかったのですが、ここ何年かで新しい薬も開発されています。また漢方薬の麻子仁丸は、力む力のない高齢者の方でも麻子仁や杏仁の油の効果でコロッと出やすくなります。
市販の下剤や整腸剤でも十分効果が出ることがあるので、時間がなく病院にいけない場合は薬局で相談してみましょう。
便秘は治療もできますが、日頃から正しい排便習慣をつけることがとても大切です。
朝食を摂ると、空腹に食物が入ることによりで胃腸が動いてくれます。お腹が冷えると血流が悪くなるので、朝食には温かいスープやおみそ汁などがあるといいですね。難しい場合はお水よりもお湯を摂るようにしてください。便意があったら逃さずトイレに行く、食物繊維・水分摂取を意識する、お腹を冷やさない、などできることがたくさんあります。
また、排便時の姿勢も見直してみてください。昔の和式トイレとまでは言いませんが、便座に座ったら、前傾35度くらい、太ももが水平以上になる姿勢がいいようです。『考える人』みたいな姿勢です。便座が高いようであれば、足元に台を置いて足を乗せてみてください。後ろにもたれかかるような姿勢よりも効果的なようです。
快適な生活を送るために、快食・快眠・快便の習慣をつけていきましょう。