水がなくても飲めるお薬 -2020年6月30日掲載-

薬局などで、お薬に名前の末尾にOD錠と記載されたお薬をもらったことはありますか?

OD(Oral disintegration)錠とは

「口腔内崩壊錠」の略語です。「口の中で溶けるお薬」つまり「唾液で飲めるお薬」です。
唾液など少しの水分で溶けるお薬ですので、唾液が少ない場合は溶けにくい場合があります。その場合は、お水と一緒に飲んで下さい。

OD錠の他にもD(崩壊)錠、PRD(速崩)錠、RM(速溶)錠などもあります。これらのお薬は水がなくても服用できます。ただし、製造技術によって口腔内で溶けるスピードや硬度が異なる場合があります。

OD錠は口の中で簡単に溶けるので、錠剤やカプセルが苦手な方でも容易に飲み込むことができます。また、偏頭痛や吐き気を催していて水を飲むのが困難な時や、水がない時にも便利です。

注意点としては、他のOD錠以外のお薬と一緒に飲む際はお水と一緒に服用する必要があります。また、寝たままの状態で飲むと、食道や胃などの消化管にお薬が残り炎症が起こすことがあるので、体を起こした状態で飲むようにしましょう。

チュアブル錠とは

OD錠以外にも水がなくても飲めるお薬にチュアブル錠というタイプがあります。

口の中で噛み砕いて服用する錠剤のことです。水がなくても服用でき、噛み砕いた後に水で服用もできます。チュアブル錠はOD錠に比べ、噛み砕かないと溶けるまでに時間がかかります。

チュアブル錠は噛み砕くことで錠剤が細かくなるため、錠剤を飲み込むことが苦手な小児用の薬や錠剤のサイズが大きい薬などに応用されていす。また、水がなくても服用できるため、水分制限が必要な腎臓病などの患者のお薬にも応用されています。

注意点としては、噛み砕かずに飲み込んでしまうと、錠剤が溶けにくく、吸収が遅れる可能性があるので、噛み砕いてから飲み込むようにしましょう。

水がなくても飲めるお薬

その他のお薬

お水が要らないお薬の中には、飲み込むと効果がないお薬もあります。

例えば、喉が痛い時に舐めるトローチです。
トローチ剤は、口の中でゆっくり溶かすことで、口の中や喉に持続的に作用させます。
噛み砕いたりそのまま飲み込んだりせず、口の中でゆっくり舐めて溶かして下さい。

他にも、舌下錠という特殊なお薬があります。
舌下錠は、読んで字のごとく「舌の下に入れて溶かして吸収させるお薬」です。
舌の下の粘膜から直接吸収されるため、速やかに体内に作用します。
そのまま飲み込んでしまうと、即効性や効果そのものが無くなる場合があります。そのまま飲み込まないようにしましょう。

お薬を正しく服用する上で注意すべきことはお薬の種類によって異なります。
苦手なお薬も錠剤の種類を変えることで改善されることがあります。
気になることがありましたらお近くの薬局・薬剤師にご相談ください。