のどが赤くなる子どもの病気
小さなお子さんがかかりがちな病気で、のどが赤くなり、時には痛みを伴う疾患がいくつかあります。痛みや赤みもさまざまで原因も異なります。
その主なものは以下の通りです。
溶連菌感染症
溶連菌が咽頭粘膜(のど)に付着して起こります。発熱、咽頭痛で発症します。その後発疹が出現し、指先の皮が剥けることがあります。のどは赤いだけでなく、ただれるのが特徴です。10日間程度の抗生物質の内服が必要です。
急性咽頭炎
風邪などに関連したウイルスに感染することで起こります。5~7日続くこともある40度近い高熱、咽頭炎(のどが真っ赤)、扁桃炎、全身倦怠(ぐったり)が主症状です。時に結膜炎を伴って、眼が真っ赤になることがあります。
咽頭結膜熱(プール熱)
アデノウイルスにより起こる感染症です。39~40度の高熱が4~5日続き、のどの痛みが強く、結膜炎を起こして眼が真っ赤になります。頭痛、はき気、腹痛、下痢を伴うこともあります。夏に、プールを介して子どものあいだで流行することがあったので「プール熱」と俗称されていましたが、プールに入らなくても感染します。発熱、のどの痛み、結膜充血などの症状が消失してから2日間は登園・登校は禁止です。
ヘルパンギーナ
乳幼児のあいだで流行する夏かぜの一種です。コクサッキーA群1-10型などにより起こります。38~40度の高熱が2~3日間続きます。のどの赤みは軽度ですが、小さな水ぶくれができて痛いので、食事が摂りづらくなります。ごくまれに髄膜炎を起こすことがあります。
手足口病
手のひら、足のうら、口の中に小さな水ぶくれができる病気です。お尻や膝にできることもあります。コクサッキーウイルスA16型、エンテロウイルス71型などが原因です。熱はないか、あっても微熱程度で済みます。のどの赤みは軽度ですが、口の中に水ぶくれができると痛くて食べられなくなることがあります。ごくまれに髄膜炎を併発して、熱が続いたり、吐いたりすることがあります。
のどに痛みがある時には、医師から処方されたお薬をきちんと服用することはもちろん、食事にも配慮してあげることが必要です。
食事のポイント
「熱い」、「辛い」、「すっぱい」といったのどに刺激の強いものは避けて、なるべくのどごしがよく、消化のよい食べ物にしてあげてください。それでも食べるのがつらいようでしたら水分だけでもしっかり摂るよう心がけてください。その場合も炭酸水など、のどに刺激を与える飲みものは避けましょう。
のどに刺激があるもの
- 熱いもの
- 冷たすぎるもの
- 辛いもの
- 酸っぱいもの
- 苦いもの
のどに刺激がないもの
- のどごしがよいもの(例:ゼリー、ヨーグルト、プリンなど)
- 消化のよいもの(例:お粥、煮込みうどん、煮た野菜、豆腐、茶わん蒸し、白身魚など)
のどが痛い時の料理例
おかゆ、雑炊、にゅうめん
卵や鶏肉、白身魚と細かく切った野菜を一緒に入れて作ることで、たんぱく質やビタミンも摂ることができます。
スープ、ポタージュ、シチュー
とろみが少量ある汁物は、飲み込みやすく、舌で少しずつ溶かしながら食べられます。コーンやかぼちゃなど好みの野菜を用いて作ってください。
野菜を細かく切って作ったコンソメスープなどは、ゼラチンを加えて固めるとゼリーとして食べることができます。冷やして、ジュレのような状態にしても食べやすくなります。
豆腐あんかけ、大根やかぶの煮物、茶わん蒸し
水溶き片栗粉であんを食材とからめたり、煮る・蒸すといった調理方法は柔らかくなり、飲み込みやすく、食べやすくなります。
フルーツヨーグルト
ヨーグルトに、細かく切った果物やジャムなどを入れて混ぜ合わせます。オレンジなど柑橘類は炎症箇所にしみることがあるので、バナナや桃、メロンなど甘く柔らかい果物を用いると良いでしょう。
食事を工夫することで、お子さんの負担を少しでも軽減してあげることができます。
医師の治療とあわせて家庭で実践してみるのはいかかでしょうか。