片頭痛とは?
『ズキズキする痛み』あるいは『脈を打つような激しい痛み』が、月に1~2回程度から多い時には週1~2回続く頭痛です。1~2時間でピークに達し、吐き気や嘔吐、光や音に敏感になるなどの症状を伴います。脳の血管が拡がって周囲の神経を刺激することで起こります。
比較的女性に多く、頭の片側のこめかみから目にかけてのあたりが痛むことが多いのですが、頭の両側や後頭部が痛むケースもみられます。
原因
遺伝的要因
片頭痛の患者さん全体の約4割に、家族に片頭痛を起こす人がいます。
ストレスからの解放
ストレスがある時に血管は収縮していて、ストレスから解放されると血管は拡張されます。そのため仕事が終わってホッとした週末などに多く起こる傾向があります。
女性ホルモンの変化
月経・妊娠・出産など女性ホルモンの分泌量が変化する時に、セロトニンが血管内に過剰に放出されるため起こりやすくなります。セロトニンは、血小板や中枢神経系、腸粘膜などに存在し、神経伝達物質として働き、腸管、気管支の平滑筋や血管などを収縮させます。その後、セロトニンが分解されて脳血管が拡張する時に痛みが起こります。
食べ物
人によってはチョコレート、チーズ、ワインなど特定の食品により起こることがあります。
日常生活のポイント
日常生活においては、頭痛の誘因を避けることが大切ですので、以下の点に注意してください。
- 過労やストレス、緊張によって起こりやすくなります。日頃からストレスをため込まないように心がけましょう。
- お腹がすいた時や、寝不足・睡眠のとり過ぎも、片頭痛が起こりやすくなります。休日も朝寝をしないなど、寝過ぎにも注意し、規則正しい生活を送ることが大切です。
- 低気圧が近づくと頭痛が起こりやすいことが知られています。また、寒さによって頭痛が誘発される場合があります。冷房をかけた室内で、冷気が直接頭に当たる場合などに頭痛が起こることがあります。この場合は頭や首にスカーフを巻くなどして、冷気を防ぎましょう。
- まぶしい場所や騒音も、頭痛を誘発することがあります。日差しの強いところではサングラスをかけ、混雑時を避けて外出するなど、光や音・暑さ・換気の悪さといった刺激をできるだけ避けるようにしましょう。
- タバコや香水のにおいに過敏な人は、においの淀んでいる場所を避けたり、回りの喫煙者の人に配慮をしてもらったり、対策をとりましょう。
片頭痛が起こってしまった場合の対応
片頭痛が起こってしまった時には、あらかじめ処方された薬を服用するほか、以下のような対応をとってください。
- 光や音の刺激を避けて、静かな部屋で横になり安静を保ちます。できましたら、ひと眠りしてしまうのが一番です。眠れない時は、椅子に座って静かにするだけでも、痛みの症状は軽くなります。
- 痛みが強い場合は、頭を冷やしたほうが楽になるか・温めたほうが楽になるかは人によって違いますので、自分に合った方法を見つけてください。冷やす場合は、「保冷パック」や「氷まくら」をタオルなどに包み頭の下に敷いて、あお向けで寝たり、額に冷たい物を乗せたりします。頭の下にタオルで包んだ「ホットパック」を敷いてあお向けで横になってください。
- コーヒーや緑茶などカフェインを含む飲み物を適量とると、頭痛が楽になるケースもみられます。
食事療法のポイント
- アルコールは片頭痛を起こしやすくなりますので、なるべく避けましょう。
- ダイエット中や、朝食を食べないで学校や会社へ行くと、血糖値が下がるため頭痛が起こることがあります。食事は規則正しく食べましょう。