他人事じゃない!乳がんセルフチェックのすすめ -2018年9月28日掲載-

乳がんになる女性が年々増加しているのをご存じですか?
いま、日本人女性の12人に1人が乳がんを発症しています。

乳がんとは

乳がんは、乳房にある乳腺にできる悪性腫瘍で、女性がかかるがんの約20%を占めます。
その中でも約半数が、乳房の外側の上部にできると言われています。
放置すると、がん細胞が増殖して乳腺の外にも広がり様々な臓器へ転移してしまいますが、その一方で、早期に治療を行えば約90%の方が治ると言われています。

乳がんは身体の表面に近いところに発生するため、自分で観察したり触れたりすることによって発見できる可能性が高いがんです。ちなみに、乳がんの60%以上はセルフチェック(自己検診)によって発見されています。

チェックポイントと方法

以下を参考に、ご自身でチェックしてみましょう。

Check Point
乳房の変形や左右差がないか
しこりがないか
ひきつれがないか
えくぼのようなへこみがないか
ただれがないか
出血や異常な分泌物がないか

~『入浴前』に鏡のまえで~

  1. 両腕を下げた姿勢で、乳房や乳頭を観察します。
  2. 両腕を高く上げた姿勢で、正面・側面・斜めから乳房を観察します。
  3. 乳頭を軽くつまみ、血のような分泌液がないか調べます。

~『入浴中』にバスルームで~

皮膚の凹凸がよくわかるよう、手に石けんをつけて滑りやすくしておきます。

  1. 腕を上げ、乳房の表面に渦巻きを描くようにして、しこりやこぶなどがないか調べます。
  2. 指先をそろえてわきの下に差し入れ、リンパ節が腫れていないか確認します。

~『おやすみ前』にベッドのうえで~

仰向けに横たわります。(肩の下に薄いクッションなどを敷くと調べやすくなります)

  1. 腕を上げて、乳房の内側半分を指の腹で軽く圧迫しながら調べます。
  2. 腕を下げて、乳房の外側半分を指の腹で軽く圧迫しながら調べます。
  3. わきの下に手を入れ、しこりがないか指の腹で調べます。

毎月1回のチェックを習慣に

普段から乳房の状態を確認していれば、小さな変化が生じたときに気付きやすくなります。
セルフチェックは、閉経前の方は乳房がやわらかくなる月経終了後1週間~10日の間に、閉経後の方は一定の日にちを決めて、毎月1回行いましょう。
少しでも変化や異変に気付いたら、すぐに専門の医療機関(乳腺外科、乳腺科、乳腺内分泌外科などの表示のある病院やクリニック)を受診しましょう。

予防方法は?

日本人を対象とした研究結果では、がん予防には禁煙、節度のある飲酒、バランスの良い食事、身体活動、適正な体形、感染予防が効果的と言われています。
その中でも乳がんを予防するためには、飲酒を控え、閉経後の肥満を避けるために体重を管理し、身体活動度を高めることがよいと考えられています。

検診

乳がん検診では、問診、視・触診、マンモグラフィ検査、超音波検査などを行います。
乳がんは早期発見により適切な治療が行われれば、良好な経過が期待できます。しこりなど自覚症状がある場合は速やかに受診することをお勧めしますが、無症状の場合でも、乳がん検診により乳がんが見つかることがあります。
乳がんから体を守るためには、日ごろのセルフチェックに加え、定期的に検診を受けることが大切です。とくに発症率が急増する40歳代からは、少なくとも2年に1回は検診を受けましょう。

乳がん検診を受けるには?

乳がん検診は、職場での健診や人間ドックのほか、多くの市区町村で住民検診の1つとして実施されています。一定の年齢に達した女性を対象に乳がん検診の費用の補助を行っている地域も増えています。お住まいの自治体に問い合わせてみましょう。