血管とその役割
「人は血管とともに老いる」と言われている通り、私たちの血管は加齢とともに老化します。
特に、現代社会において偏った食生活や運動不足などの生活習慣そのものが、血管の老化を早めることが近年明らかとなっています。実際に、血管年齢を測定すると、実年齢よりも血管年齢の方が高齢である方が増加傾向にあります。
血管は文字通り管腔構造をとり、その管の中を血液が流れ、全身へ酸素や栄養を巡らせる働きがあります。
- 血管とは
- 血液を全身に送るための管
- 血管の役割
- 全身へ酸素や栄養分、水分を送る
血管の老化と疾病
若い血管は柔軟性に富み、スムーズに血液が通過しますが、老化した血管はしなやかさを失います。また、内部にコレステロールなどが沈着することで血液の流れが悪化することがあります。
この血流の悪化は、様々な臓器に影響を与え、例えば狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などの疾患の引き金になります。つまり、日本人三大疾病の2つに血管の老化が関わっているのです。
- 硬くなる
- 動脈硬化
- 詰まる
- 心筋梗塞、脳梗塞
- 切れる
- 動脈瘤
- 裂ける
- 大動脈解離
では「血管の老化」とは何を原因として引き起こされるのでしょうか?
一般的に「血管の老化」は高血圧、高血糖、脂質異常症といういわゆる生活習慣病の三大要素、および遺伝的要因等によって引き起こされることが知られています。
中でも血圧は血管年齢を測定する指標となっているだけでなく、血管を老化させるリスクファクターとして重要視されています。
その血圧とは一体何を指しているのでしょうか。簡単に言うと、血圧とは「心臓から送り出される血液が血管壁を押す力」のことを指します。
また、高血圧とは心臓から送り出される血液が血管壁を押す力が高すぎる状態を指し、一般的に高い方の血圧が140mmHg以上、または低い方の血圧が90mmHg以上の場合に高血圧と診断されます。もし自分の血圧が不安であれば医師に相談し、どのくらいまで下げるべきか確認しましょう。
日本人の高血圧の原因
日本人の高血圧の原因として以下の因子が知られています。
- 塩分の過剰摂取
- 肥満
- 過剰な飲酒
- 精神的ストレス
- 自律神経失調症
- 運動不足
- 野菜・果物不足
- 喫煙
これらの原因が単独もしくは複数重なることで、血圧が高い状態が持続してしまうことになります。高血圧状態が持続すると、本来は弾力のある血管壁が日々強いストレスを受け続け、その柔軟性が失われ、硬くなり、血管の老化を引き起こします。
高血圧の予防方法
高血圧の予防のために次ぎのことに取り組むと良いとされています。
- 食事の減塩
- こまめな運動
- 飲酒は適度にとどめる
- 喫煙をしない
- ストレスをためない
全身の動脈、静脈、毛細血管などを全てつなぎ合わせると地球2週半(約10万km)の長さになると言われています。人間の体内におけるその巨大臓器に不具合が生じた場合、すなわち「血管の老化」が進行した場合には、そのこと自体が体の健康に大きな影響を及ぼすことは想像に難くありません。
「血管の老化」を予防し、「血管の老化」の進展を遅らせるためには日々の体調管理が最も重要です。現代の医療においても老化した血管を若返らせる医薬品、技術の開発は行われていません (いずれは開発されるかもしれませんが……)。
ピチピチで若々しい血管の状態を維持するために普段の生活を見直し、健康維持を心がけましょう。