2016年3月より、50歳以上の方への帯状疱疹を予防する目的で水痘ワクチンが使えるようになりました。
では、帯状疱疹とはどんな病気なのでしょうか?
帯状疱疹ってなに?
- 帯状疱疹は、子どもの頃にかかった水ぼうそうのウイルスによって起こります。
- 「皮膚症状」と「神経の痛み」の両方を起こす病気です。
- 患者さんの約70%が50歳以上の方です。
どんな症状?
- 神経に沿って体の左右どちらか一方にチクチク、ピリピリする痛みが起こります。
- しばらくして、その部分が赤くなります。
- 小さくて透明な水ぶくれが集まってでき、やがて濁って、時には黄色くなります。
- 2~3週間で黒褐色のかさぶたとなり、4~6週間くらいでかさぶたが取れて治っていきます。
- 皮膚の症状が治っていくにつれて、痛みの程度も和らいでいきます。まれに、痛みが続くこともあります。
合併症にも注意
顔面や頭に帯状疱疹ができると、目に感染して視力障害を起こしたり、顔面神経の麻痺を起こしたりすることもあります。
主治医から眼科や耳鼻科を受診するように指示されたら、必ず受診してください。
帯状疱疹と水ぼうそうの関係は?
帯状疱疹と水ぼうそうの原因は、水痘ウイルスという同じウイルスです。
1.水ぼうそうの戦い
水ぼうそうになったことのない人がこのウイルスに感染すると、水ぼうそうにかかります。(ほとんどの場合、子どもの頃です)。
このとき、体の中では水ぼうそうのウイルスと免疫が戦っています。私たちの体は、水ぼうそうのウイルス専門の免疫の数を増やして対応します。
この戦いに勝つと水ぼうそうは治ります。
2.潜伏
戦いに負けた水ぼうそうのウイルスは逃げ出して神経節というところに隠れてしまいます。
免疫の監視の目が行き届かなくなるときを、水ぼうそうのウイルスは狙っています。
免疫の数は少なくなりますがパトロールが続くため、水ぼうそうのウイルスは再び暴れることもできません。
また、外から水ぼうそうのウイルスの再攻撃を防ぎます。
そのため、水ぼうそうには二度とかかりません。
3.帯状疱疹として発症
様々な原因により、免疫の数が減ることがあります。(免疫の数が減る主な原因:過労・老化・病気・体力低下)
免疫の数が減ったときを見計らって、水ぼうそうのウイルスが再び増えて暴れ始め、隠れていた神経節の神経に沿って(体の片側)、皮膚と神経を攻撃します。
私たちの体も、再び水ぼうそうのウイルス専門の免疫の数を増やして戦い、それに勝利したときに帯状疱疹は治ります。