子供の夏かぜ -2013年6月29日掲載-

夏かぜは高温、高湿を好むウイルスによって起こる感染症です。

症状

典型的な症状は以下になります。

  • のどの痛み
  • 発熱
  • 発疹
  • 下痢
  • 腹痛

代表的な夏かぜ

代表的な夏かぜとして以下の3種類があります。

咽頭結膜炎(プール熱)【アデノウイルス】

特徴
プールでの感染が多くみられます。原因であるアデノウイルス自体には季節性がないので、最近では夏季に限らず流行することもあります。
プールが原因で流行する場合は、ウイルスで汚染した水から結膜へ直接ウイルスが入ったり、タオルの共用などで感染します。
結膜炎と咽頭炎が特徴的な症状です。感染力の強い流行性角結膜炎との鑑別診断が大切です。
経過
  1. 39度前後の高熱がでて、のどが強く痛み、真っ赤になります。
  2. 眼は充血して真っ赤になり、痛みやまぶしさを訴えたり、涙や目やにがでます。眼症状は主に片方から始まり、その後もう一方にも現れます。
  3. 症状は3~5日間くらい続き、腹痛や下痢を伴うこともありますが、1週間程度で回復します。眼に後遺症を残すことはありません。

治療・予防
対症療法が中心です。眼症状が強い場合には眼科的な治療が必要です。
予防の基本は石鹸による手洗いやうがいです。
プールでは泳ぐ前後のシャワー、洗眼を忘れずにしましょう。
タオルや洗面器は共用しないようにしましょう。

ヘルパンギーナ【コクサッキーウイルス】

特徴
発熱とのどの水泡が特徴の、小児のウイルス性咽頭炎で、夏かぜの代表的疾患です。
経過
  1. 突然の発熱に続いて、上あごの奥の方の粘膜に、赤い小さな水泡ができます。
  2. 水泡が破れて潰瘍ができると、つばも飲み込めないほど強いのどの痛みを感じます。
  3. 3日前後で熱が下がり、発症から1週間ほどで回復します。
治療・予防
対症療法のみで、症状によって解熱剤を使います。
のどの痛みから食欲もなくなるので、脱水症状にならないように水分を摂らせましょう。
予防は感染者に近づかないこと、手洗い、うがいが基本です。
まれに髄膜炎、脳炎等の合併症を発症することがあるので、頭痛、嘔吐、高熱が続く場合には受診しましょう。

手足口病【エンテロウイルス、コクサッキーウイルス】

特徴
病名の通り、手・足・口に水泡ができる感染症で、大部分は発疹のみの軽い症状です。
4歳くらいまでの幼児に多い感染症ですが、感染力が強く、学童でも流行することがあります。
経過
  1. 手のひら、足のうら、口の中に小さな複数の水泡ができます。肘や膝、おしりにできることもあります。
  2. 口の水泡が破れて潰瘍ができると、しみて痛いため、食事が摂りにくくなります。
  3. 発熱はあっても38度以下がほとんどで、下痢を伴うこともあります。1週間程度で自然に治ります。
治療・予防
特別な治療を必要としないことがほとんどですが、口の中が痛くて食事が摂りにいため、脱水症状にならないように水分を摂らせましょう。
予防は感染症に近づかないことと、手洗いやうがいが基本です。
まれに髄膜炎、脳炎等の合併症を発症することがあるので、頭痛、嘔吐、高熱が続く場合には受診しましょう。