PM2.5(微小粒子状物質)とは
大気中に浮遊している2.5μm(1μmは1mmの1千分の1)以下の小さな粒子のことで、従来から環境基準を定めて対策を進めてきた10μm以下の粒子である浮遊粒子状物質(SPM)よりも小さな粒子です。
体への影響
PM2.5は非常に小さいため(髪の毛の太さの1/30程度)、肺の奥深くまで入りやすく、肺がん、呼吸系への影響に加え、循環器系への影響が懸念されています。
発生
発生方法は以下の2種類になります
- 直接排出
- 物の燃焼などによって直接排出
- 以下のガス状大気汚染物質が、主として環境大気中での化学反応により粒子化
-
- 硫黄酸化物(SOx)
- 窒素酸化物(NOx)
- 揮発性有機化合物(VOC)等
以下が主な発生源です。
ばい煙を発生する施設
- コークス炉
粉じんを発生する施設
- 鉱物の堆積場等
人為起源のもの
- 自動車
- 船舶
- 航空機等
自然起源のもの
- 土壌
- 海洋
- 火山
大気汚染防止法への取り組み
これまで取り組んできた大気汚染防止法に基づく工場・事業場等のばい煙発生施設の規制や自動車排出ガス規制などにより、SPMとPM2.5の年間の平均的な濃度は減少傾向にあります。
環境基準について
環境基本法第16条第1項に基づく人の健康の適切な保護を図るために維持されることが望ましい水準として以下の環境基準を定めています。
- 1年平均値
- 15μg/立方メートル 以下かつ
- 1日平均値
- 35μg/立方メートル 以下
(平成21年9月設定)
現在の状況について
大気汚染防止法に基づき、地方公共団体によって全国500カ所以上にPM2.5の常時監視が実施されています。
PM2.5を始めとする大気汚染物質濃度の現在の状況については、環境省や多くの都道府県等によって速報値が公表されています。
常時監視結果については、地方公共団体のデータ確定作業を経た上で、測定された翌年度に一括して国へ報告されています。
PM2.5から身を守る方法
PM2.5は粒径2.5μm以下の微小な粒子物質です。
呼吸により気管支や肺の奥深くまで入り込むと、ぜんそくや肺がんなどの呼吸器疾患を引き起こすことがあります。
これを防ぐには、市販のマスクの中でも、ウィルスなどPM2.5よりも小さな粒子に対応したものを着ける方法があります。
米国労働安全衛生研究所の規格に適合したN95マスクや、日本の国家規格を満たしたマスクなどが有効だとされています。
N95規格のマスクは、「0.3μmの微粒子を95%以上遮断する」という規格ですので、直径2.5μm以下のPM2.5も防ぐことができるということになります。
また、室内では高性能の空気清浄器を使うようにするとよいでしょう。
PM2.5と花粉症の関係
実はこのPM2.5は花粉と反応する性質を持ち、今まで花粉症にならなかった人も花粉症になる可能性が大きくなるので注意が必要です。
つまり、花粉単独では花粉症にならなくても、化学物質と反応した花粉では花粉症を引き起こすという訳です。
例年花粉症を患わない方も、PM2.5が飛散している時期は注意が必要になってくるかもしれません。