熱性けいれんの予防法について -2011年7月31日掲載-

~お母様ならびに保護者の皆さまへ~

熱性けいれんの予防法

乳幼児期(生後6ヶ月から4~5歳まで)には、発熱時にけいれん(熱性けいれん)をおこすことがたびたびあります。熱性けいれんが起こりやすいお子さまには、発熱時に抗けいれん薬(ジアゼパム坐剤)を使用すると、熱性けいれんを事前に予防できます。今回はジアゼパム坐剤の使い方を詳しくご説明します。

ジアゼパム坐剤の使用方法

発熱初期

熱性けいれんは、体温が急激に上昇するときに起こりやすいので、37.5度前後の発熱に気づいたときには、できるだけ速やかに、あらかじめ処方されている坐剤(ジアゼパム坐剤)を肛門内に深めに挿入します。

熱が下がらない場合


1回目の坐剤挿入後、38度以上の発熱が続く場合には、8時間後にもう一度だけ坐剤を挿入します。2回目挿入後は、さらに発熱が続いても、基本的にはそれ以上坐剤を使用する必要はありません。ジアゼパムの効果は長持ちします。

坐剤を使用した際には、挿入後30分間は坐剤がもれていないことを確認して下さい。坐剤がもれてしまった場合は、新しい坐剤を挿入しなおします。

解熱薬坐剤との併用

ジアゼパム坐剤と解熱薬坐剤を併用する場合は、先にジアゼパム坐剤を挿入し、30分以上あけてから解熱薬坐剤を使います。同時に使用したり、間隔が短すぎたりすると、ジアゼパム坐剤の効きが落ちる可能性があります。

副作用

一時的に多少のねむけ、ふらつきが出たり、ときには興奮状態になることがありますが、ほかには問題となるような副作用はありません。

医師の説明をよくお聞きになって、上記の方法により熱性けいれんを予防しましょう。抗けいれん薬を適切に使用すると、発熱初期に対応できれば、ほとんどの場合熱性けいれんを予防できます。

なお坐剤を使用した場合には、発熱の状況や坐剤の使用時間などをメモし、次の受診時にお伝えいただければ診療・診察に役立ちます。

小児はいつ体調を崩し発熱するかわからないので、熱性けいれんを起こしやすいお子さまがいらっしゃる場合には、医師に相談のうえ、ジアゼパム坐剤と解熱薬を常備されることをお勧めいたします。そうすることにより、お気持ちに余裕が生まれます。