手足の「しびれ」 -2010年4月30日掲載-

手足に「しびれ」を感じたとき、その症状を軽く考えていませんか?

しかし、「しびれ」は命にかかわる病気が原因で起こることもあるので、実は注意が必要なのです。

「しびれ」の種類

「しびれ」には、長く正座をした後のようにジンジンとする異常な感覚の場合と、手や足に力が入りにくい運動麻痺の場合とがあります。

感覚の異常だけの症状のときもあれば、運動麻痺だけの症状のときもあり、あるいは感覚と運動の障害が同時に起こることもあります。

「しびれ」の原因


「しびれ」はさまざまな原因で起こりますが、それらの症状は神経や脳が発している危険信号です。内科の病気に伴って「しびれ」が起こることもよくあります。

たとえば、糖尿病では末梢神経が障害を起こしやすいために、いつの間にかジンジンとしびれ感が起こったりすることがあります。また、脊髄の病気、たとえば椎間板ヘルニアや変形性脊椎症でも圧迫を起こすことから、よく「しびれ」が見られます。

また、女性に多い手のしびれの代表的なものに、手根管症候群というものもあります。これは、パソコンなど手首をよく使う仕事や、家事を行っている場合にも生じやすく、また女性ホルモンの変動が影響していると考えられており、妊娠や出産を機に発症することもあります。いくつかの原因が考えられおり、最近関心が集められている病気のひとつでもあります。症状の特徴としては夜間に多かったり、手の甲はしびれなかったり、手を振ると楽になったりなどがあります。

これらは、手や足に長く続くしびれが特徴でもあり、首や腰・手首に起こった、異常なサインである可能性があります。
背骨や手を通る神経が圧迫されると、長引く「しびれ」が起こりやすくなります。
そして、「しびれ」が起こる重篤な病気の代表として、脳卒中もあります。
脳卒中では障害されている範囲によって、「しびれ」の現れ方が異なるので、たとえ「しびれ」が弱くても、注意が必要になります。

これら以外にも、「しびれ」には列挙しきれないほど原因はさまざまあります。そのため「しびれ」が出たら、安易に放置しておかないことが大切です。

何科を受診すればよい?

しかし、「しびれ」があっても、どこを受診したらよいのかわからないという人も多いでしょう。もし迷った場合は、「神経内科」を受診することをお勧めします。

神経内科は、神経にかかわる病気の診断や治療を専門としています。まずは、「しびれ」の起こり方や、どこがしびれるのか、などを口頭により尋ねられ、続いて神経の異常を詳しく診察した後に、神経の異常の種類によって必要となる種々の検査を行います。

治療は内科的な治療で済むこともあれば、時には整形外科や脳外科などの手術が必要になることもあります。必要に応じて適切な診療所を紹介してもらえるでしょう。

このように、「しびれ」は内科の病気であることも、外科の病気であることもあるので、気になる「しびれ」がある場合には、命にかかわる事態を避けるためにも、ひとまず神経内科を受診するのがよいでしょう。
日本神経学会HP、丸美屋和漢研究所HP