目やに・充血
「目やに」とは、涙や目からの分泌物が固まったもので、目の縁に付着したりします。一方、「充血」とは、白目の部分に炎症が生じ、毛細血管が浮き出て見える状態を言います。目やにと充血は、子どもに見られる目の症状として最も多いものです。
子どもの目やにと充血は、注意を払わなければならない症状です。「目やに、または充血の症状が続く」、「目やにがいつもより多く出る」などの場合には、眼科を受診する必要があります。
目やにだけが起こる場合
「目やにが出て、充血はほとんどない」場合には次の3つの病気が考えられます。
- 鼻涙管閉塞
- 涙は、目頭にある涙の排出口(涙点)から出て、鼻の奥へと流れていきます。この通り道を「鼻涙管」と言います。鼻涙管閉塞とはこの鼻涙管が塞がっている状態の事です。
- ものもらい
- まつげの根元にある汗や脂の出口などに細菌が感染して起こる化膿性の炎症です。目やに以外に、まぶたに腫れや痛みが生じ、膿が出たり、脂肪のしこりができることもあります。
患部を触らせないように眼帯を着けさせる親御さんがいます。しかし、3~4歳以下の子どもの場合、眼帯をすると視力の発達を妨げる可能性があるので、つけさせないようにします。人にうつる心配はないので、眼帯を着けずに、1週間程度は患部を触らせないようにする事が大切です。 - 逆さまつげ
- 子どもはまぶたが厚いため、まつげが内側を向いて、眼球の表面に触れることがあります。これが「逆さまつげ」です。ただし、乳児期の子どものまつげはやわらかいため、逆さまつげによって痛みが起こることはあまりありません。しかし、3~4歳ごろになっても逆さまつげが治らず、目やにのほかに充血や痛みが現われ、それらの症状がひどくなってきたときには、まつげが太く硬くなり、眼球の表面に傷を付けている可能性があります。
目やにと充血が両方起こる場合
最も可能性が高いのは「結膜炎」です。結膜炎には2つのタイプがあります。
- アレルギー性結膜炎
- 花粉やハウスダストなどにアレルギー反応を起こし、そのために生じてくる結膜炎です。目やにや充血とともに、かゆみなどの症状も現れます。くしゃみを伴うこともあります。
- 感染性の結膜炎
- ウイルスの感染で起こる結膜炎が多く、その代表的なものに、プールなどで感染する「プール熱」や、「流行性角結膜炎(はやり目)」などがあります。
治療法
アレルギー性の結膜炎は、抗アレルギー薬の点眼などで治療します。
一方、ウイルス性の結膜炎には特効薬がなく、感染後1~2週間を経て自然に治るのを待つしかありません。ただし、細菌による二次感染を防ぐため、抗菌薬を点眼することもあります。
小児への点眼方法
- 手を石鹸できれいに洗ってください。
- お子様の点眼に対する恐怖心を取り除いてあげ、点眼のやりやすい方法でさしてあげましょう。
- 点眼時に目を閉じてしまうお子様の場合は、目の周りを拭いてから、目頭付近に点眼します。まばたきをさせると目薬が目の中に入っていきます。また、寝ている間に点眼するのも1つの方法です。
- 涙で目薬が流されますので、お子様が泣いている最中は点眼を避けてください。また、点眼時にお子さんが動き、容器の先で目を傷つけないように気をつけましょう。