骨粗鬆症とその予防について -2005年9月1日掲載-

骨は私達の体を支えたり、大切な臓器を保護するなど私達の体を様々な面でサポートしてくれています。しかし、年をとると、背中が丸くなったり、骨折を起こしやすくなります。これは骨粗鬆症によることが多いのです。

骨粗鬆症とは?

骨は有機成分のたんぱく質と、無機成分のカルシウム・リンなどの化合物からできています。骨粗鬆症は、このたんぱく質とカルシウム・リンなどの無機成分がともに減少し骨に鬆(す)があいたように骨の構造が変化していくものです。そのため、腰や背中も骨は自然にもろくなり、つぶれて高さが減ったり、背中が丸くなったり、時には痛みを感じたりします。またちょっとしたつまずきや転んだりすることで、骨折を起こしやすくなります。

骨粗鬆症には閉経後の女性(50~60歳)にみられる閉経後骨粗鬆症と高齢者(男性女性とも)にみられる老人性骨粗鬆症があります。

どうして病気が起こるのか?

骨はたんぱく質とカルシウム・リンなどの化合物からできていますが、骨の中には骨をつくる細胞・骨を壊す細胞などがあります。骨を壊す細胞によって古い骨が吸収され、骨をつくる細胞によって新しい骨がつくられていきます。このバランスが崩れ、骨がつくられるよりも壊され吸収されるのが上まわると骨粗鬆症が起こります。

骨粗鬆症を予防するために!

骨粗鬆症とその予防
骨の量は子供の時から身体の成長とともに増加し、成人期に最高値に達し、中高年期には次第に減少します。しかし、日常生活の過ごし方で減り方が大きく異なります。骨粗鬆症を予防するためのいくつかのポイントについて考えてみましょう。

食事

  • 骨の材料となるたんぱく質として肉類・卵・大豆製品など吸収の良い食品から程よくとるように心掛けましょう。
  • カルシウムの多い食品を十分に取りましょう。煮干・イワシ・ワカサギなどの小魚や海草・吸収の良い乳製品(牛乳・チーズ・ヨーグルトなど)を上手に取りましょう。
  • カルシウムの吸収を助けるため、ビタミンDをとることも必要です。ビタミンDは、かつお・ぶり・さんま・しらすぼし・魚や肉の肝臓・バター・卵黄などに多く含まれます。
  • カルシウムを多く含む青菜以外の野菜もとりましょう。
  • 塩分の取りすぎやアルコールの飲みすぎ・喫煙もカルシウムの吸収を悪くしますので控えめにしましょう。

運動

  • 適度な運動は骨の新陳代謝を活発にし、カルシウムが骨に定着するのを助けます。規則正しい運動を行うよう心掛けましょう。散歩・ジョギング・体操・温水プール浴(温水プールで体を動かす)などがお勧めです。週3回以上30分~1時間くらい行えるようにしましょう。続けることが大切です。

日光浴

  • 皮膚にあるビタミンDのもとになる物質は、日光に当たるとビタミンDに変わります。このビタミンDが腸でカルシウムの吸収をたすけてくれます。木陰で1日30分程度の日光浴を行いましょう。

他の成人病と同じように骨粗鬆症も若い時から予防することが大切です。十分なカルシウムを含んだバランスの取れた食事、規則正しい運動をして骨の量を増加させておき、加齢による減少を最小限にするように心掛けましょう。