※このページは頭痛についての一般的な知識の提供を目的としています。
疾病の治療等については必ず医師の診察を受けて、その指示に従ってください。
頭痛に悩まされている人は多いものです。しかし、実際に医療機関を受診して、治療を受けている人は決して多くありません。
頭痛が起こる原因には様々なものがありますが、命にかかわる重大な病気が原因となって起こるものと、長い間繰り返しおこる慢性頭痛があります。
現在は有効な治療薬も開発されています。自分の頭痛の種類を知って、きちんと対処しましょう。
緊張型頭痛
頭や首の後ろの筋肉が緊張するために起こる頭痛です。
種類と特徴
- 後頭部を中心とした重苦しい、締めつけられるような痛み。多くは左右両側が痛む。
- 随伴症状:首や肩のこり
- 誘発・悪化要因:うつむき姿勢、筋力低下、ストレス
- 最も多い頭痛。女性に多い。
予防
まず、筋肉を緊張させない様に、生活習慣を改善する事が大切です。
- うつむき姿勢を続けると首の筋肉に負担がかかるので、正しい姿勢を保つ
- 同じ姿勢をとり続けないよう、時々休憩をとる
- 首や肩を温めると血行が良くなり、頭痛が軽減する
- 運動は筋肉をほぐして、血行をよくする
- 高すぎる枕は首の筋肉に負担をかけるので、低い枕を使う
- 自分に合った眼鏡を使う
片頭痛
血管性頭痛と言われるもので、頭の血管が拡張し、周りの神経を刺激して起こる頭痛です。
種類と特徴
- こめかみ辺りがズキンズキンと脈を打つような強い痛み。左右片側もしくは両側に起きる
- 随伴症状:吐き気、嘔吐
- 誘発・悪化要因:アルコール、月経、ストレス、食事、運動、強い光、騒音、人ごみ、急激な温度変化、ホルモン補充療法
- 20~40歳代を中心に、女性に多い
前兆
前兆として、発作の10分から1時間程前に視野の中にギザギザした明るい模様が現れたり、体の半身がしびれたりすることがあります。また、発作の数日前に予兆として、首や肩の張り、あくび、イライラ、空腹感、めまいなどが起こる事もあります。しかし、こうした症状が全く起こらない人も大勢います。
片頭痛を起こさないために
片頭痛を防ぐためには、自分がどのような時に起きやすいかを知っておくことが大切です。
- 空腹が誘因となるため、三食きちんと食べる。ダイエットもよくない。
- 寝不足・寝過ぎを避け、休日でも普段通りの生活をする。
- ストレスから解放された時に起こりやすいので、ストレスをためない。
発作時の対処法
- 暗い静かな場所で、横になって休む
- 痛む場所を冷やす
- 入浴は避け、シャワーにする
群発頭痛
片側の目の奥に差し込むような激しい痛みが、ある一定期間(多くの場合1~2ヶ月)連続して毎日起こる頭痛です。1日1~2回同じ時間帯に起こり、1回の痛みの長さは数十分から1時間位。時には、数時間に及ぶこともある。
種類と特徴
- 片方の目の周囲を中心とした激痛。発作が始まると、連日同じ時間帯に起こる
- 随伴症状:涙、目の充血、鼻水
- 誘発・悪化要因:アルコール、喫煙、ストレス、酸素の薄い場所、温度・気圧の変化
- 20~40歳代を中心に、男性が多い
群発頭痛とアルコール
群発頭痛が起きている1~2ヶ月の間は、アルコールを飲むと必ず頭痛が起きます。期間中は、アルコールの度数・種類・アルコールに強いか弱いかに関係なく、少しでも飲酒すると、群発頭痛が誘発されます。
頭痛の期間中は、禁酒するしかありません。
頭痛薬の種類
鎮痛薬は頭痛を根本から治すものではなく、一時的に症状を和らげるに過ぎません。痛みが続く場合や、心筋梗塞、脳梗塞、末梢血管障害などのある人は、必ず医療機関で診察を受けるようにしましょう。
消炎鎮痛薬
- 緊張型頭痛・片頭痛に有効
- 片頭痛時には、前触れが現れた時あるいは、頭痛発作が始まってすぐに飲まないと効果は得られない。
血管と神経の炎症を抑える薬(トリプタン製剤)
- 片頭痛・群発頭痛に有効
- 発作が本格化してからでも、効果が高い。
血管の炎症を抑える薬(エルゴタミン製剤)
- 片頭痛・群発頭痛に有効
- 発作の前触れが現れた時あるいは、発作初期に飲まないと効果は得られない。
注意事項
- 鎮痛薬の飲み過ぎ(週に2回以上)で頭痛の起こる事もあります(薬剤乱用頭痛)。鎮痛薬の服用回数の多い人は、神経内科などの専門医を受診することが大切です。
- 下記の症状に当てはまる時は、重大な脳の病気がもととなっている場合が多いので、直ちに神経内科や脳神経外科などの専門医を受診しましょう。
- 今までにない痛み
- 突然痛み始める
- 数週間から数ヶ月の間にだんだん痛みがひどくなる
- マヒやしびれ、けいれん、意識障害を伴う
- 高熱を伴う
- 物が二重に見える
- 身体の向きやりきみ、咳などで痛みが増す
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