旬の夏野菜で「夏バテ」を撃退! -2004年5月1日掲載-

もうすぐ暑い夏がやってきます。夏といえば「夏バテ」。体がだるく、食欲や体力が落ちて、なかなか回復しづらいのが難点です。外は気温が高く、蒸し暑い、しかし建物の中に入ると冷房のために体が冷える・・そんな環境だと自律神経の不調を招き、「夏バテ」になりかねません。

そんな「夏バテ」を予防するために気をつけたいのが食生活。健康な体作りのために、肉・魚介類たんぱく質をしっかり摂り、同様に旬の夏野菜を食べて、不足しがちなビタミン・ミネラルを摂取し、夏バテをふきとばしましょう!

最近は年中いろんな野菜を買えるようになりましたが、やはり旬の時期に出回る野菜には栄養が豊富です。ここでは、代表的な夏野菜を紹介したいと思います。

きゅうり

約90%以上が水分ですが、尿の出をよくする成分「イソクエルシトリン」が含まれているため、体のむくみを取ってくれます。ビタミンCやミネラルも含まれています。

トマト

旬の夏野菜
ビタミンC・ビタミンAをたくさん含んでいます。よく耳にするリコピンという色素は抗酸化作用があり、活性酸素が引き起こす細胞の老化をくいとめる働きがあります。トマトの酸味であるクエン酸は胃酸の分泌を促進させます。

なす

体を冷やす作用があるため、体にこもった熱をとり、ほてった体をさましてくれます。また、血液の循環を良くしたり、尿の出をよくします。なすの皮の紫色はナスニンという成分で強い抗酸化力があります。

ピーマン

ビタミンCがたくさん含まれています。ちなみに緑ピーマンより赤ピーマンの方が、ビタミンCが豊富です。その理由は赤ピーマンがビタミンPをたくさん含んでおり、ビタミンCの酸化を防いでいるためです。また、ビタミンPは毛細血管を強くする性質をもっているため高血圧に効果があると言われています。

オクラ

ねばねばした食べ物は体に良いと聞いたことがあるかもしれません。ガラクタン、ペクチンなどオクラのねばねばした成分は多糖類の一種で、整腸作用や腸内コレステロールの低下作用があります。

枝豆やかぼちゃも夏が旬の野菜です。夏はこれらの野菜を積極的にとって良質の栄養をとりたいですね。

食べ物もきちんと食べているのに体がだるい、夏バテがひどい・・という方には漢方薬を服用してみるのもひとつの方法でしょう。夏バテに効果のある漢方薬としては、「清暑益気湯」や「補中益気湯」などがあります。

「清暑益気湯」は体を冷やす作用があるため、体が火照り、口が渇く、汗をたくさんかく・・という症状に効果があります。「補中益気湯」は体を温める作用があるため、冷えや疲労倦怠感という症状に効果があります。

体質や、症状によって処方される漢方薬は異なるので、医療機関で相談し、自分にあった漢方薬を処方してもらいましょう。

夏バテに打ち勝つためにも、生活習慣や食生活に気をつけて、毎日を健康に過ごしましょう。