夏に多い子どもの病気で代表的なものとして、「プール熱」「ヘルパンギーナ」「手足口病」があります。この中でも、一番怖いと言われている「プール熱」について今回取り上げてみたいと思います。
咽頭結膜熱とは
春の終わりから秋の初め頃に多く発生する夏風邪の一種で、アデノウイルスによっておこります。主に、アデノウイルスの3型で引き起こされますが、アデノウイルスの7型が原因になることもあり、この場合重症化することもあります。幼児・小学生などがプールを介して感染し流行することが多いので「プール熱」と呼ばれますが、実際にはプールに入らなくても咳・くしゃみ等から感染することも少なくありません。
また結膜炎を引き起こし、「はやり目」と呼ばれることもあります。
4・5歳から10歳くらいまでに多くみられますが、まれに赤ちゃんにも感染することがあります。大人は免疫力があるのでプール感染しにくいのですが、結膜炎から家庭内に二次感染する可能性があります。
感染してから発病するまでの潜伏期間は、5~7日ほどです。
主な症状
- 高熱
- 39度前後の高熱が3~5日続きます。
- 結膜炎
- 両側または片側の結膜が赤く充血します。
- 目が痛い、目やに、光がまぶしいなどの症状もあります。
- 咽頭炎
- のどが赤く腫れて、痛みが強くあらわれます。
- このほか、頭痛・腹痛・下痢・吐き気などの症状を伴うこともあります。
治療法
アデノウイルスに直接効くお薬はありませんので、症状をおさえる治療が中心です。
- 熱が続く間は安静にさせ、つらそうなら氷枕などで冷やしたり、解熱剤を飲ませたりして熱を下げる工夫をしましょう。ただし、解熱剤の使い過ぎには注意して下さい。また、高熱の時には汗をかき脱水気味になりやすいので、水分補給もしっかり行いましょう。麦茶・イオン飲料など、あっさりしたもので構いません。
- お風呂は、とくに具合が悪そうでなければ、熱があっても汗を流す程度であれば構いません。
- 目の症状には、目薬を処方してもらいましょう。
- のどが痛む時には、刺激が少なく消化がよくて、のどごしのいいもの(プリン・ヨーグルト・ゼリー・アイス・野菜ジュース・おかゆなど)を与えましょう
予防法
- 水泳前後は、念入りにシャワーを浴び,手や目をよく洗いうがいをしましょう。
- タオル、食器、洗面器等の貸し借りは避けましょう(ウイルスは熱に弱いので煮沸消毒がよいです)
- 感染するのはプールに限らないので、うがいや手洗いを普段からしっかりしましょう。
いつから幼稚園や学校に行っていいのか
この病気は、学校伝染病に指定されているので、熱が下がり、結膜炎、のどの痛みが消え、2日経過するまで出席出来ません。実際は、元気になるまで5~7日くらい休んだ方がよいでしょう。
日ごろの予防を徹底して、楽しい夏を過ごしましょう!!
『赤ちゃんと子どもの医学事典』松峰寿美 監修 梧桐書院
『赤ちゃんの病気&ホームケア事典』ひよこクラブ H13年11月号付録
株式会社ベネッセコーポレーション