パーキンソン病治療薬について -2013年1月17日掲載-

パーキンソン病とは安静時にも体の震えが出て、筋肉のこわばりが強くなり、動作の開始が遅れ、動きが緩慢になったり小刻みになったりする病気です。

原因は脳の神経同士の連絡に使われているドーパミンという物質(神経伝達物質)が不足し、別の神経伝達物質であるアセチルコリンの作用が強まり、神経のバランスが崩れることと考えられています。代表的な治療法は、薬物療法、手術による外科的治療、リハビリテーションです。

薬物療法は、脳のドーパミンとアセチルコリンのバランスを正常に近づけ症状を緩和する方法で、一つは脳内のドーパミンの量を増やす方法です。ドーパミンを直接、補充する方法が理にかなっていますが、ドーパミンそのものを薬として服用しても脳に到達しないため、脳に届く型で、到達後ドーパミンに変化する薬が用いられます。しかし、この方法は長期間行うと次第に薬の効果が落ちてくるという問題点もあります。

ドーパミンは体内で酵素によって分解され効き目がなくなってしまいますが、この分解酵素の働きを抑えて、ドーパミンの働きをよくする薬や、ドーパミンとは違う構造でドーパミンと同じ作用を示す薬、神経を刺激してドーパミンを出させる薬などもあります。

もう一つは、アセチルコリンの作用を抑える方法です。抗コリン薬が用いられて、副交感神経の働きを弱めることでドーパミン神経とのバランスをとり、症状を緩和させます。

パーキンソン病で見られる症状は、ある種の認知症など他の病気でも見られることがあります。また薬の副作用でも同じような症状が現れることがあります。

このような症状と区別するために、気になる症状が現れた場合は、専門医の診断を受けることをおすすめします。