最近のインフルエンザ治療薬 -2010年12月16日掲載-

昨年は新型インフルエンザが流行し、新聞などのメディアで取り上げられる機会が多かったように思います。

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされます。他のウイルスが原因となる風邪と比べ高熱、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛などの全身症状も強く、一人がインフルエンザにかかれば瞬く間にその周辺にも広がり、大流行となることも珍しくありません。

特に抵抗力が弱い高齢者や乳幼児は、しばしば重症化することがあります。

インフルエンザ治療薬には飲み薬と吸入薬があります。これまでの吸入薬は1日2回で5日間使用というものが多かったのですが、最近1回だけの吸入で効果を発揮する新しい吸入薬が発売されました。吸入忘れがなくなるというメリットも期待できます。

また、2010年1月より点滴のインフルエンザ治療薬も発売されています。1回の点滴で済むので、気分が悪く薬を服用できないといった悩みにも対応が可能になります。

いずれの場合にもインフルエンザウイルスの量が最大になる前、つまり症状が出てから遅くても48時間以内に治療を開始することが前提です。

一昔前はインフルエンザにかかっても症状を和らげる対症治療(熱を下げる、痛みをとるなど)が中心でした。医療技術は日々進歩を遂げ、今後も様々な治療薬が登場し薬剤による治療がますます盛んになっていくと考えられます。

ですが、インフルエンザ治療薬に限らず、薬に副作用は付きものです。新薬を試してみる、薬の服用回数で選んでみる、剤形で選んでみる、薬に頼らず様子を見る・・・。色々な選択肢が増えてきたインフルエンザ治療ですが、皆様はどれを選びますか?