快適な睡眠みつけませんか? -2010年11月30日掲載-

「あなたは今の睡眠に満足できていますか?」この問いかけに自信を持って「はい」と答えられる人は意外と少ないのではないでしょうか?

現代社会を取り巻くストレスが原因で、様々な病気になると言われていますが、身近な病気の1つに睡眠障害があります。その中でも、最も多いといわれている不眠症について取り上げたいと思います。

睡眠のメカニズムとは?


睡眠には、浅い眠りのレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠の2種類があり、これを交互に繰り返すことで朝を迎えます。では、それぞれがどのような役割を果たしているのでしょうか?

レム睡眠

全身の筋肉の緊張が緩み、脳だけが活発に働いている状態で、日中に得た知識や情報を脳が整理したり、筋肉などの運動器官の回復に重要な時間と言われています。

ノンレム睡眠

全身の筋肉に加えて脳も休んでいる状態で、大脳や神経の疲労回復、様々なホルモン分泌の調節に重要な時間と言われています。

不眠症とは?

睡眠のメカニズムが乱れることで、健康を維持する為に必要な睡眠の質と量が不足し、その結果、社会生活に支障をきたし、疲労を感じる状態をいいます。その症状を大きく分けると以下のように分類されます。

入眠障害
布団に入ってからなかなか寝付けない
中途覚醒
眠りについた後も翌朝目が覚めるまでに何度も起きてしまう
早朝覚醒
いつも起きたい時間よりも2時間以上も早く目覚めてしまう
熟眠障害
十分な時間寝ているのにぐっすりと寝た気がしない

これらの原因はストレスや生活習慣の乱れ、環境の変化、体や心の病気、薬の副作用等様々であり、対処法も異なってきます。

快適な睡眠が得られているか、あなたの生活習慣をチェック!!

生活習慣チェック表
( ) 毎朝ほぼ決まった時間に起きる
( ) カーテンを開け、太陽の光をしっかり浴びる
( ) 毎朝、良く噛みながら食事を摂る
( ) 趣味や家事・運動などを楽しんだり、できるだけ人と接し活動的に過ごす
( ) 明るいところで過ごす
( ) 眠い時は15~20分程度の短い昼寝をする
夕方 ( ) 夕方以降に適度な有酸素運動(ウォーキング等)を取り入れる
( ) 夕方から入眠までは居眠りをしない
( ) ぬるめのお風呂にゆっくりつかる
( ) 長時間のテレビ視聴やパソコン使用を避ける
( ) 寝具は自身にあった物を使用している
( ) 夜食・カフェイン含有飲料等の摂取を避ける
( ) 眠る目的で飲酒しない
( ) 軽い読書や香り、ストレッチなど脳と心身をリラックスさせる

無理のない範囲で少しずつ○を増やし、△や×が減るような生活習慣のサイクルを作りましょう。

睡眠治療薬の種類

不眠が続くようであれば、医療機関で相談してみましょう。現在広く使用されている睡眠薬は正しく使用すれば安全性が高く副作用の少ない薬剤がほとんどで、不安や緊張を抑えることで自然に近い睡眠をもたらします。不眠症のタイプによってすぐに効果の現れる薬剤(超短時間作用型睡眠薬)から長く持続する薬剤(長時間作用型睡眠薬)と様々です。

また、最近では体内時計の役割を担うメラトニンという物質を増やすことで体内リズムを改善し、一定時間になると規則正しい睡眠を導く薬剤も発売されました。

医師に何がきっかけで眠れなくなったのか、どの時間帯に眠れないのかなど、症状をできるだけ詳しく伝えることが重要です。

不眠の怖い話

ちなみに不眠を放っておくと、体の様々な機能に悪影響を及ぼし、高血圧・糖尿病・脂質異常症・肥満などの生活習慣病を悪化させることもわかってきました。人間にとって1日活動した脳や神経、体力を回復するための睡眠は食事や運動と同様に、健康を維持する為にはとても大切です。

不眠でお困りの方は眠れないことを1人で悩まず、かかりつけ医師、薬剤師に気軽にご相談ください。あなたに合った解決策がみつかるかもしれません。
引用:武田薬品工業株式会社ホームページ、ベーリンガーインゲルハイムホームページ