胃食道逆流症について -2010年7月15日掲載-

食後などに胸焼けが頻繁に起こることはありませんか?このような場合、胃食道逆流症の可能性があります。胃食道逆流症とは、胃液が食道へ逆流して胸焼けなどの症状を起こす病気です。
逆流した胃液に含まれる胃酸によって、食道粘膜に炎症が起きたものを逆流性食道炎と言います。症状としては胸焼け、喉や口が酸っぱく感じる、時には胸が痛い、声がかれる、咳が出るなどがあります。

食道と胃の境目は、筋肉によって締められていて普段は閉じています。この筋肉が何らかの原因で緩むと胃液の逆流が起こります。加齢が原因の場合もありますが、食べすぎや飲みすぎが原因で、胃と食道の境目が緩んでいる場合もあります。
薬物療法では、胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬やH2ブロッカーが使われます。症状が落ち着いても原因そのものがすぐに治るわけではないので、長期にわたって薬物療法を行うこともあります。
また、これらの症状は日常生活の見直しにより改善されることもあります。
例えば以下の方法があります。

  • 胃酸の過剰分泌防止のために暴飲暴食を避ける(腹八分目)
  • 前屈みの姿勢、ベルトでお腹を締め付ける、重い物を持つなどの腹圧を上げることを避ける
  • 食後2~3時間は横にならない
  • 胃酸の分泌が増えやすい脂肪の多い食物やチョコレートなどの甘いもの、柑橘類、コーヒー、アルコール類、タバコなどを控える
  • 寝る時は、上半身を高くする

薬物治療も大切ですが、日常生活の見直しもそれ以上に大切です。日常生活を見直しても胸焼けなどの症状が長く頻繁に起こる場合には、胃がんや食道がんが隠れていることもありますので、早めの受診をお勧めします。