花粉症について -2010年3月18日掲載-

花粉症とは、植物の花粉が目や鼻などの粘膜に接触することによって引き起こされる、くしゃみや鼻水・鼻づまりなどの症状が特徴的な症候群です。日本では約80種の植物の花粉が花粉症の原因になっているといわれています。

特に、2~4月のスギ(スギ科)、3~5月のヒノキ(ヒノキ科)、3~6月のスズメノテッポウ(イネ科)、5~7月のカモガヤ(イネ科)、8~11月のブタクサ(キク科)、9~11月のヨモギ(キク科)などは全国どこにでもある植物です。機会があれば病院でアレルギーテストを行い、自分がどの植物で花粉症にかかりやすいかを把握しておくと良いでしょう。

主な花粉症治療薬には抗ヒスタミン剤と局所ステロイド剤があります。花粉症はアレルギー性疾患のひとつですが、アレルギー反応の結果、体内で作られるヒスタミンという物質が主に関係しています。抗ヒスタミン剤はこのヒスタミンに作用し、くしゃみや鼻水などの症状を抑えますが、眠気、だるさ、口渇、便秘などの副作用が起こることがあるので注意が必要です。最近ではこのような副作用の少ないものも開発されています。またお酒と一緒に服用すると効果が強く現れるので避けて下さい。

点鼻薬や点眼薬などの局所ステロイド剤は、ヒスタミンなどによって引き起こされた鼻粘膜や目の結膜の炎症を鎮める作用があります。副作用などの点で注意が必要ですが、局所に使用するので全身の副作用が少ないのが特徴です。しかし使いすぎや間違った使用方法で副作用が出ることもありますので、医師や薬剤師の説明を守ってください。

花粉症は症状が悪化すると治療が難しくなり、薬も効きづらくなります。毎年花粉症で悩まされている方は早めに受診し、薬の服用などによって予防することが大切です。