みなさんは花粉症の薬の種類についてどこまでご存知でしょうか。
今回は花粉症の薬についてご紹介します。
そしてみなさんの健康に少しでも貢献できればと思います。
薬・治療法について
抗ヒスタミン薬
最も一般的な薬の一つで市販薬として購入することができます。
最近では薬の改良により眠気が少ない薬も増えてきています。
しかし精神薬やアルコールと一緒に服用すると眠気、倦怠感などが出ることがあるので注意が必要です。
抗ロイコトリエン薬
一般的にくしゃみより鼻づまりが強い場合に使われることが多いお薬です。
喘息の患者様にも使用されることがあります。
ステロイド薬
くしゃみや鼻水が多い人によく使用される薬で点鼻薬として使われることが多いです。
点鼻薬は効果が現れるのが早く、飲み薬でも効かない鼻づまりにも効果があります。
患者様の中には点鼻薬は症状がひどい時に使用するものだと考えて、時々しか使わないという方もいらっしゃいますが、定期的に使用する必要がありますので注意が必要です。
またドラックストアなどで売られている点鼻薬には血管を収縮させる成分が含まれているものもありますが、長期に使用することによりかえって鼻づまりが悪化することがありますので、使用は短期にした方がよいでしょう。
免疫療法
根本的な治療としてアレルゲン免疫療法というものがあります。投与方法として注射と舌下錠というものがあります。今回では薬局でなじみのある舌下錠について説明します。
舌下錠とは舌の下に錠剤を置き口の粘膜から薬を吸収させる薬です。
この薬は服用開始から半年程度は具体的な効果が感じられないことが多いようです。また舌下錠は花粉が飛散していない時期も毎日服用が必要になるため、注意が必要です。
この薬は、治療が進むにつれて徐々に効果が上がっていきます。年中続くアレルギー性鼻炎の治療の場合3~5年治療を継続すると7~8年効果が持続するといわれています。
抗体医薬品
注射タイプの薬で今までの飲み薬や点鼻薬で効果がない人に使用されることがあります。
使用するためには、スギ花粉症であるという診断や、これまでの治療での効果が見られなかった、などの条件が必要です。どの薬も効かなくて困っている患者様にとってはとても有用な薬です。
お薬を服用するうえで大切なこと
花粉症では季節性に症状が出た際に医療機関を2~3か月受診して治療を終えてしまうこともありますので、患者様にはこれは花粉症という病気だという認識があまりなく、軽くとらえてしまっていることもあります。
そのため本当は毎日服用が必要な薬剤であっても2~3日服用して調子がよくなったと感じると服用をやめてしまうこともあります。
特に点鼻薬は内服薬と比べると使用をやめてしまう方が多いのですが、花粉が飛び始める1か月前からしっかりと使っていただく必要があります。4~5月になるとスギ花粉の飛散は減少してきますが、ヒノキ花粉にアレルギーのある患者様は5月の連休明けぐらいまではしっかりとお薬を使用しましょう。