中耳炎について -2024年3月29日掲載-

中耳炎は小さなお子さんに多くみられます。
大人もかかることがある病気です。

中耳炎は急性中耳炎と慢性中耳炎に分けられます。
急性中耳炎が3ヵ月以上治らない場合を慢性中耳炎といいます。
また、急性中耳炎が治った後、中耳に浸出液が溜まったままになることがあり、これを滲出性(しんしゅつせい)中耳炎と言います。

急性中耳炎とは

急性中耳炎は、3歳から4歳頃に多く、鼓膜の内側の内耳に起こる炎症で、進行すると鼓膜が破れることもあります。
適切な治療を行えば一時的なもので済み、破れた鼓膜も自然にふさがります。
風邪をひいたときにかかることが多いのですが、ほとんどは鼻やのどにある肺炎球菌、インフルエンザ菌、レンサ球菌などが感染します。
中耳炎について
小さなお子さんに中耳炎が多いのは小児の耳管が太く、短く、水平で感染しやすいためです。
耳痛、耳だれが特徴で、38℃台の発熱も多く見られます。

抗菌薬によりだいたい2週間以内に治癒するものですが、服薬しても改善しない場合は、漫然と服薬を続けるのは避け、検査して別の対処法を考えます。
また、鼓膜に膿がたまり、強い痛みがでてくる場合は、鼓膜切開などの処置が取られます。
副鼻腔炎を合併した場合は、1か月から3か月程度、抗菌薬を服用することもあります。

滲出性中耳炎とは

滲出性中耳炎は、耳の痛み、耳だれ、発熱などの症状はありませんが、浸出液で鼓膜が機能しないため、耳が聞こえにくくなるのが特徴です。
子供の難聴の原因で最も多いのが、滲出性中耳炎です。
原因となる鼻の病気や、鼻の奥にあるリンパ組織、アデノイドの肥大などをしっかり治療して、耳管の働きを正常に保つことが重要です。
抗ヒスタミン薬などで鼻詰まりを改善し、耳管を開いたり、耳管の開口部から空気を送り込んで通りをよくする耳管通気法、鼓膜に穴をあける鼓膜切開や、鼓膜にチューブを挿入する鼓膜チューブ留置術などの方法があります。

中耳炎を予防するには

①鼻水をこまめにとる
鼻水の吸引器も活用しながらお子さんの鼻水をこまめにとってあげてください。
手動のもの、電動のものが、数百円からネット通販やベビー用品店で販売されています。
②鼻水をすすらない
鼻水を外に出して、鼻の中を清潔に保ちましょう
③風邪をひかないように気をつける
風邪を予防することで、耳管の働きを正常に保ち、中耳炎の予防につながります。

耳の痛み、違和感があれば耳鼻科を受診しましょう。
お子さんが耳を頻繁に触る、痛がる、耳だれが見られる、などのサインに早めに気づいてあげましょう。