水イボについて -2023年6月30日掲載-

毎年プールが始まる時期になると流行する「水イボ」。
皮膚にポツポツと小さなイボができ、まれに全身に広がり悪化したり、他人にうつしてしまったりすることがあります。今回は水イボの原因や症状、治療について解説します。

水イボの原因

水イボは伝染性軟属腫ウイルスに感染して発症します。イボの中にウイルスの塊が入っており、かき破ることで中のウイルスが飛び出して感染が拡大します。
肌と肌が触れ合う、かきむしることで自分自身の皮膚に広がるなど直接的な接触で感染します。またタオルの共有やプールの浮き輪、ドアノブ、おもちゃなどを介する間接的な接触でも感染します。

水イボの症状

水イボについて
水イボは直径1~5㎜の光沢がある比較的柔らかいイボで、中央部分がくぼんでいることが特徴です。
2週間から数か月の潜伏期間を経て、免疫機能が未熟な乳幼児の体幹や四肢、下腹部、太ももに主に現れます。洋服がこすれ摩擦が起きやすい場所にできやすいとされています。
まれに大人でもアトピー性皮膚炎や重度の乾燥肌の場合、感染することがあるため注意が必要です。
水イボ自体にかゆみや痛みはないとされていますが、乾燥や湿疹、イボが気になりかきむしることで、かゆみが拡大し化膿することで痛みがでる場合があります。

水イボの治療

水イボは1年程で自然治癒するとされていますが、個人差が大きいため長引くこともあります。
水イボの数、できた場所、症状の進行具合などによって治療方法が異なります。

摘除

特殊なピンセットで、水イボ部分のみをつまんで摘除する方法です。痛み軽減のため、事前に麻酔薬テープを貼ってから摘除する場合もあります。

内服薬

内服薬でよく用いられるのが、ヨクイニンです。お茶や煎餅などにも入っているハトムギから作られる生薬です。免疫効果の促進、消炎作用があるとされています。
ヨクイニン以外にも、他の内服薬が用いられることもあります。

他にも塗り薬(外用薬)による治療や冷凍療法など様々な方法があります。
自分に合った治療法を医師との相談で決めていきましょう。

水イボの予防

①肌と肌との接触を防ぐ
感染原因が多い場所として、水イボと肌が擦れる機会が多いお風呂やプールがよく上げられます。
子どもの水イボ感染が疑われる場合は、兄弟姉妹で一緒にお風呂に入ることを避けましょう。またタオルの共有も感染につながるため、別々のものを使用しましょう。
プールの後にシャワーで肌をきれいに洗うことも予防につながります。
②肌の保湿ケアを行う
肌が乾燥することでバリア機能が低下し、水イボに感染しやすくなります。日頃から爪を短くし、保湿ケアを行いかきむしり予防をしましょう。
水イボができてしまった場合にも保湿ケアを念入りに行いましょう。悪化を防ぐことができます。また体を洗う時はタオルでゴシゴシ洗うと小さな傷ができ、そこからウイルスが侵入しやすくなるため、手などで優しく洗うことを心がけましょう。

水イボはウイルスが原因のため、免疫がつけば自然治癒すると言われています。
しかし治癒するまでの期間は個人差が大きく、長期間を要する可能性があるため、水イボの個数が増え感染が拡大するリスクがあることを覚えておきましょう。
水イボの個数が少ないうちに、早めの受診をおすすめします。