「“腎臓が悪くならないよう、しっかりと水分を摂りましょう。”と医師に言われてお茶を飲んでいますが、飲むとトイレばかり行って大変です。あまりにもトイレばかり行くので、飲む量を減らしたり、頻尿の薬を飲んだりしています。」との話を聞くことがあります。
寒い冬は特に、体が温まるコーヒーやお茶を飲み、その後すぐトイレに行きたくなる。そんな経験はありませんか?何故お茶を飲むとトイレが近くなるのでしょう?
そもそも体が冷えると、血管が収縮して血管に対する血液量が増えてしまいます。それを体から出そうとするため、トイレが近くなるのです。そのうえ、お茶に含まれるカフェインを摂取することで、その利尿作用により、一層トイレの回数が増えてしまうのです。
食品名 カフェイン含有量の目安 備考 インスタントコーヒー(顆粒製品) 80mg/1杯 1杯に2g使用した場合 コーヒー 浸出液 60mg/100g 浸出法:コーヒー粉末 10g、熱湯 150ml (緑茶類)玉露 浸出液 160mg/100g 浸出法:茶 10g、60℃ 60ml、2.5分 (緑茶類)せん茶 浸出液 20mg/100g 浸出法:茶 10g、90℃430ml、1分 (緑茶類)かまいり茶 浸出液 10mg/100g 浸出法:茶 10g、90℃430ml、1分 (緑茶類)番茶 浸出液 10mg/100g 浸出法:茶 15g、90℃650ml、0.5分 (緑茶類)ほうじ茶 浸出液 20mg/100g 浸出法:茶 15g、90℃650ml、0.5 分 (緑茶類)玄米茶 浸出液 10mg/100g 浸出法:茶 15g、90℃650ml、0.5分 (発酵茶類)ウーロン茶 浸出液 20mg/100g 浸出法:茶 15g、90℃650ml、0.5分 (発酵茶類)紅茶 浸出液 30mg/100g 浸出法:茶 5g、熱湯 360ml、1.5~4 分
*日本食品標準成分表 2020 年版(八訂)
より
お茶を飲む量を減らした方が良いのか?
水分量を減らすと、血液量が減ります。すると、血液をろ過し、老廃物を排出する働きをしている腎臓への血流も減少します。老廃物がろ過されずに体内に蓄積すると、その老廃物がろ過する機能を妨害するため、腎臓の機能が一時的に低下する恐れがあります。
脱水による腎機能低下は飲水によって回復しますが、繰り返されたり、長く続いたりすると回復が難しくなるので、十分な水分摂取が重要なのです。
どのように水分摂取をするのが良いのか?
日中でも頻尿が気になるのであれば、体が冷えないようにしたり、カフェインの少ないものを摂るようにするとよいでしょう。もし出来るのであれば、体を動かして体を温めたり、汗をかいたり、トイレのことを忘れさせるのが良いでしょう。
夜中、何度もトイレのために起きてしまうのはどうすれば良いのか?
就寝時は、布団で体を温めて眠るので体が冷えることはなく、起きてしまうのは水分の過剰摂取か膀胱の問題であると思われます。従って、夕食時やその後の飲水を控えたり、利尿作用のあるカフェインの摂取を控えてみましょう。それでも改善しないようであれば、膀胱炎や膀胱の貯蓄に問題があるかもしれませんので、その場合は泌尿器科を受診して治療を受けましょう。また、眠りが浅いことが原因でトイレの回数が増えているという場合には、心療内科を受診して治療を受けるのが良いでしょう。