暖かくなってきました。これから春・夏・秋にはアウトドアで楽しむ方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。そんな時注意しなくてはならないのが虫さされです。
ハチ・カ・ブヨ・アブなどに刺されると、ヒスタミン・セロトニンなどの化学物質が注入され、赤く腫れる、かゆい、痛むなどの症状が起こります。今回は虫さされの予防方法や応急処置についてお話したいと思います。
アブ・ブヨ・カの類
さされた時の症状
- アブ
- 刺された時には激痛があり、咬まれたところは出血し、やがて赤くなってしこりができます。翌日辺りから激しいかゆみが起こり、2~3週間続くこともあります。
- ブヨ
- 刺された時には軽い痛みがあり、しばらくすると激しいかゆみが起こり、1~2週間続くことがあります。
- カ
- 刺された時には弱い痛みを感じ、赤くなって、硬い湿疹のような腫れができ、激しいかゆみが起こります。
いずれの場合も、感受性の強い人はアレルギー症状を起こし、発熱や腫脹が出ることがあります。また、掻いて細菌感染を起こすことが多いようです。
予防・応急処置
- 野外で活動する時は暑くても長袖・長ズボン・帽子・手袋などで全身の露出部分を最小限に抑えましょう。
- 虫よけスプレーも有効ですが、アレルギーやかぶれを起こすこともあるので、使用する前に体の一部(腕の内側など)に塗ったりスプレーしたりして、かぶれないか確認しましょう。
- 刺されてしまった場合は、ひっかいたりするとキズが出来、細菌感染を起こして治りにくくなります。(小児ではトビヒの原因になることがあります)爪を短く切り、包帯やかぶれにくい絆創膏などで保護すると良いでしょう。
- 腫れやかゆみが強い時には水で湿布すると良いでしょう。
- 症状がひどい場合は病院にかかりましょう。
ハチ類
さされた時の症状
ミツバチは初回に刺された場合、最初は痛みがありますが間もなく痛みはとれ赤みを生じるくらいになります。
しかし刺される回数が重なるとアレルギー症状が起こり、刺されたところが激しく痛んだり、赤く腫れたり硬くなったりします。感受性の強い人はアナフィラキシーショックと呼ばれるショック症状(血圧が低下したり冷や汗などがでたりする)で死亡することもあります。スズメバチやアシナガバチは初回でも激しい痛みを感じます。
予防・応急処置
- 天然の香料はハチを引きつけるので、山野を歩くときには香水・ヘアトニックなどは避けましょう。また、ひらひらした花柄の衣類や光るブレスレットなどもハチを引きつけるので注意しましょう。
- ジュースなどの甘味がハチを引きつけるので、屋外での食事には注意し、食べ残しは包んで捨てましょう。
- スズメバチとアシナガバチは人に向かう攻撃性があります。巣に近づいたり、ハチを驚かせたり刺激するのはやめましょう。スズメバチが攻撃してきた時には、顔を伏せ、木や服などを頭の上でぐるぐる回し、ハチをそちらの方に引きつけながら静かに逃げましょう。
- 洗濯物の間に紛れこんでいたハチに刺されることもあるので、洗濯物を取り込む時には気を付けましょう。
- ミツバチに刺された時には毒の付いた針が残っている場合があるので毒針を指で押し込まないように弾き飛ばして下さい。
- 腫れやむくみがひどい時には水で湿布すると良いでしょう。
- ショック症状があれば、すぐに救急車で病院へ運んで下さい。
- アンモニアは無効で、かぶれることもあるので使用しないようにしましょう。
- できるだけ早目に病院にかかりましょう。
虫さされに気を付けてアウトドアを楽しんで下さい。
「野外の毒虫と不快な虫」全国農村教育協会