塗り薬の使い方 -2006年1月1日掲載-

皮膚科で処方されるステロイドなどの軟膏やクリーム。整形外科で処方される痛み止めの軟膏など、軟膏やクリームにもいろんな種類の塗り薬があります。目的にあった使い方をしないと効き目が落ちたり、副作用が出やすくなったりします。今回は、塗り薬の使い方についてのお話です。

軟膏やクリームの塗り方で最も一般的なものは、単純塗布法と云い、指の腹で薄く塗り広げる方法です。他にじくじくしている患部に使う重層法(重ね塗り)、比較的重症時に使う密封療法(塗った後にサランラップを貼り付け吸収をよくする方法)などがあります。

ステロイドの塗り薬は「あまり擦り込まずに薄く塗る」のが一般的。一方、筋肉痛などの痛み止めの塗り薬は「しっかりと擦り込むほうが効果的」です。やけどなどの保護には「少し厚く塗ったほうが良い」薬もあります。塗る量は軟膏なら少しテカテカする程度、クリームなら白い色が消える程度。目安としてチューブから5mm出すと、直径5cm位の円の範囲を塗れます。1回で大量に出さず少しずつ取り、足りなければもう一度取るようにしましょう。

使用の際は、まず患部の汚れ(汗、ホコリなど)を取り除き、手洗い後の清潔な手指で塗って下さい。また、塗った後の手指に薬が残っていると、そこから薬の成分が吸収され副作用の原因にもなるので必ず使用後には手洗いして下さい。

数種類のステロイド剤を使う場合は、作用の弱いものから使うと強いステロイド剤が不用意に他の患部に付着せず安全です。塗り薬の使い方は症状や塗る部位によって異なります。特にステロイド剤は使い方を間違えると副作用が強く出ることもあります。必ず医師の指示通り正しく取扱い、絶対に自己判断で薬を中止したり、むやみに塗ったりすることは避けて下さい。